ヒロハノクロタマガヤツリ(広葉の黒珠蚊帳吊)

Fuirena umbellata


ヒロハノクロタマガヤツリ1

  • 科名・属名 :
     カヤツリグサ科 クロタマガヤツリ属

  • 特徴 :
     草丈50〜100cmの多年草。
     地下茎があり、茎は単生し、5稜があって無毛、数個の節がある。
     葉は茎に5〜7個つき、葉身は披針形〜線状披針形、長さ10〜20cm、幅5〜25mm。先は尖り、基部の縁に毛がある。
     花序は頂生または腋生し、3〜12個の分花序からなる。小穂は卵形〜卵状楕円形、長さ4〜10mm、幅2.5〜3mm、鋭頭で灰緑色〜濃緑褐色。総苞片は葉状で分花序より長い。
     鱗片は倒卵形〜卵状長楕円形、長さ2〜2.5mm、細かい毛があり、中肋は長さ0.8〜1mmで外曲する。
     花被片は3個、花弁状で膜質、倒卵形〜長楕円形、果実より少し長い。柱頭は3岐。
     果実は倒卵形、3稜形で長さ0.8〜1.2mm、光沢があり、平滑か不明瞭なシワがある。

  • 分布・生育地 :
     九州(奄美大島以南)〜沖縄 (国外:中国、台湾、世界の熱帯、亜熱帯域に広く分布)
     湿地

  • 果(花)期 :   8〜10月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2015年10月8日  沖縄県国頭郡
     中上・全体2、以下全て    同  上
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)

  • 撮影記 :
     沖縄北部の山間地、小さな池の周りには多くの興味ある湿地性の植物が生えていて、時間を忘れるほどだった。
     その中で特に目を引いたのは、この花だった。というのも、カヤツリグサ科の植物に興味を持ったのは、2013年秋、高知県で出会ったクロタマガヤツリがきっかけだったからだ。
     楕円状の比較的大きな小穂が密集した姿は、パッとしない地味な花というこの科のイメージを一変させてくれた。
     クロタマガヤツリとの違いは、地下茎があり、茎は長さ50〜100cmと大きく、単生して5稜があり、無毛であることなどが異なっている。

  • 葉

    葉基部

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ヒロハノクロタマガヤツリ2

花序1

花序2

茎