イヌフトイ(犬太藺)

Scirpus subulatus


イヌフトイ1

  • 科名・属名 : カヤツリグサ科 ホタルイ属
     注.APG分類ではフトイ属、学名(Schoenoplectus subulatus)

  • 特徴 :
     草丈60〜220cmの多年草。
     根茎は横走して長く伸び、茎を単生または2〜3本束生する。
     茎は円柱形か時々先端付近が鈍三稜形となり、幅3〜7mmで平滑、基部より上には節がない。
     葉は根生し、葉身は線形、長さ1.5〜8cm。葉鞘は基部では筒状か裂けて開き、上部は次第に狭まり、長さ20〜40cm。葉舌は全縁で円頭。時に長く柔らかい沈水葉が出ることがある。
     花序は頂生するが総苞片が直立するため側生状に見え、複散房花序で7〜50個の小穂をつける。花柄は6〜13個で8cm近くまで伸び、0〜1回分枝、総苞片は1個で直立し、円柱形〜鈍3稜形で長さ2.5〜12cm。
     小穂は卵状楕円形〜披針形、長さ9〜20mm。鱗片は卵形〜狭卵形、長さ3.2〜4.2mm、膜質で平滑、辺縁部はわら色でしばしば中央部は赤褐色を帯び、光沢があり、縁は全縁か先端付近に細かい縁毛があり、先端は少し切れ込むか凹頭、長さ0.3〜0.7mmの芒がある。
     花被片は4個、平たい紐状、果実と同長か少し長く、橙褐色のを帯びた上向きの毛が密に生え羽毛状になる。雄しべは3個、葯は長さ1.8〜2.2mm。柱頭は2個。
     果実は狭倒卵形〜広倒卵形、レンズ形で平滑、暗褐色〜黒褐色で光沢があり、長さ1.9〜2.7mm、幅1.2〜1.6mm。

  • 分布・生育地 :
     沖縄 (国外:中国、東南アジア〜インド、アフリカ、オーストラリア、太平洋諸島)
     湿地、水辺

  • 花期 :   12〜4月?

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2019年5月7日  沖縄県石垣島
     中上・全体2、以下全て    同  上
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)

  • 撮影記 :
     石垣島の海岸近くの湿地、反対側の海岸は何度も訪れていたが、何もなさそうな陸側は入ったことはなかった。
     花仲間からこの湿地に本種があると聞かされ、初めてこの湿地に入ると、狭い道の両側にフトイの仲間が生えていた。
     ただ、片側は本種だが、反対側はフトイとのこと。両方とも撮影し帰って違いをよく確認した。
     大きな違いは花被片で、本種の花被片は平たい紐状で、上向きの毛が密に生えて羽毛状になることで、左下の果実の写真に写っている花被片でそのことがよく分かる。

  • 茎

    同じ科の仲間の花
イヌフトイ2

花序1

花序2

果実