イセウキヤガラ(伊勢浮矢柄)

Bolboschoenus planiculmis


イセウキヤガラ1

  • 科名・属名 : カヤツリグサ科 ホタルイ属
     注.APG分類ではウキヤガラ属、学名(Bolboschoenus planiculmis)

  • 特徴 :
     草丈30〜80cmの夏緑性多年草。
     根茎は長く匍匐し、所々から茎を単生し、基部に肥厚した径約1cmの塊茎がある。
     葉は普通茎の根元に集まってつき、幅2〜4mm。葉の縁は平滑で、葉身の横断面は3稜形。
     小穂は茎の先に1(〜3個)つき、長楕円形で長さ約1cm。苞葉は1(〜3)個で、最長のものは常に立ち上がり側生状になり茎に続く。苞葉の横断面は3稜形で稜は平滑。
     果実は倒卵形で光沢があり、横断面はレンズ状。刺針状花被片は果実が熟すと脱落する。柱頭は2岐。

  • 分布・生育地 :
     北海道〜九州 (国外:中国、サハリン)
     河口付近の潮間帯

  • 果(花)期 :   6〜10月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2019年6月18日  東京都大田区
     中上・全体2、以下(果実を除き)全て    同  上
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     左下・果実 2019年8月22日    同  上

  • 撮影記 :
     普通、河口付近で干潮時には陸化し満潮時には水に浸かるような場所(潮間帯)に生育し、群生していることが多い。
     最初は徳島県の吉野川の河口付近で見たが、時期が遅かったことと潮が満ちてきていい写真が撮れなかった。
     その後多摩川の河口付近で干潮時に撮影できた。茎や小穂が汚れているのは満潮時に水面下になるためだろう。
     ただ、川岸にはゴミが多い上、ヘドロも溜まっていて、撮影には苦労した。
     コウキヤガラに似るが、葉や苞葉が3稜形で縁が平滑であること、小穂が普通1個(〜3個)、苞葉は普通1個(〜3個)、最長のものは立ち上がり側生状になることが違いとされる(「神奈川県植物誌2018」による)。
     ただ「日本の野生植物1」(平凡社刊)では本種が記載されていない。コウキヤガラと分けられないとの整理なのだろうか。

  • 苞葉

    苞葉断面

    茎基部

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イセウキヤガラ2

小穂1

小穂2(3個タイプ)

苞葉2個タイプ

果実