コイトスゲ(小糸菅)

Carex sachalinensis var. srimaensis


コイトスゲ

  • 科名・属名 :
     カヤツリグサ科 スゲ属(ヌカスゲ節)

  • 特徴 :
     草丈15〜30cmの多年草。
     疎らに叢生し、細長い匐枝を出す。基部の鞘は淡黄褐色。
     葉は幅1.5〜2mm、夏緑性で果期には前年の葉は枯れている。
     頂小穂は雄性、側小穂は雌性、やや密に果胞をつけ、長い柄があり、苞葉よりも長い。苞の葉身は刺状で短い。
     雄鱗片は淡黄褐色、雌鱗片は淡黄褐色、中肋は淡緑色、先端には短い芒がある。
     果胞は長卵形、長さ2〜3mm、嘴は短く、表面は無毛か疎らに短毛が生える。果実の横断面は3稜形で、表面は光沢がある。
     別名 ゴンゲンスゲ

  • 分布・生育地 :
     本州(東北〜東海地方) (国外:日本固有)
     山地の林下、林縁や草地

  • 花期 :  5〜6月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2017年7月7日  神奈川県箱根
     中1・全体2 2021年6月12日  静岡県駿東郡
     (上、中1は拡大写真あり、写真をクリック)
     中2・雄雌小穂 2017年7月7日  神奈川県箱根
     中3・雌小穂    同  上
     中4・雌鱗片、果胞 2021年6月12日  静岡県駿東郡
     左下・果胞、果実    同上  
     右下・基部の鞘、匐枝    同  上

  • 撮影記 :
     箱根のある樹の花を撮影に出かけ、遊歩道を観察しながら歩いた。
     この時期、夏の草本にはまだ少し早く、木本も同様で花は少ない。目的の樹の花も全くだった。
     やや湿った道端にはテキリスゲが見られ、少し乾いた林縁ではこのスゲが見られた。
     雌小穂の柄が長く、刺状の苞よりも高くなることや、葉の幅が狭い、果期に前年の葉が残らない点が似た種との区別点である。

  • 基部の鞘・匐枝

    同じ科の仲間の花
コイトスゲ2

雄雌小穂

雌小穂

雌鱗片・果胞

果胞・果実