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- 科名・属名 :
カヤツリグサ科 スゲ属(アゼスゲ節)
- 特徴 :
草丈30〜70cmの多年草。
根茎は短く、叢生して大きな株を作る。
基部の鞘は葉身がなく、濃褐色で糸網がある。
葉は幅4〜8mm、硬くて著しくざらつく。
小穂は4〜7個つき、頂小穂は普通雄性で、線形で長さ4〜10cm。側小穂は雌性、円柱形で長さ3〜10cm、幅3〜4mm、下方のものは長い柄があって垂れ下がる。頂小穂は時に雄花部の先に雌花部を生じることがある(左下の写真)。
雌鱗片は淡緑色、倒卵形で凹頭〜円頭、先は短い芒になり、果胞と同長。
果胞は広卵状楕円形、長さ2〜2.5mm、平滑で無脈、嘴は短く、熟すと著しく膨らみ痩果をゆるく包む。
痩果は広楕円形で断面はレンズ状、柱頭は2岐。
- 分布・生育地 :
北海道〜九州 (国外:日本固有) 山地の川岸など湿った斜面
- 果(花)期 : 5〜7月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2017年7月7日 神奈川県箱根 中上・全体2 2016年5月25日 山梨県南都留郡 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 中中・雄、雌小穂 同 上 中下・雌小穂 2017年7月7日 神奈川県箱根 左下・頂小穂の雄花部 同 上 右上・葉、右下・基部の鞘 同 上
- 撮影記 :
葉が硬くて著しくざらつくことから手を切りそうということで和名がつけられたようだ。
平地の湿地で見ることはなく、これらの写真はいずれも富士山麓や箱根の湿った林縁で撮影した。
アゼナルコやアズマナルコなどよく似た仲間があるが、雌鱗片の形、葉のざらつき、基部の糸網の有無などで見分けることができるが、現地でしっかり確認する必要がある。
普通、頂小穂は雄性、側小穂は雌性であるが、時に頂小穂の雄花部の先に雌花部を生じることがあり、左下の写真はその雄花部を拡大したものである。
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