ミヤマカンスゲ(深山寒菅)

Carex multifolia var. multifolia


ミヤマカンスゲ

  • 科名・属名 :
     カヤツリグサ科 スゲ属(ヌカスゲ節)

  • 特徴 :
     草丈20〜50cmの多年草。
     根茎はやや叢生し、はっきりした匐枝を出さない。
     葉は多数つき、広線形でやや柔らかく扁平、幅3〜8mm。常緑であるが、果期には前年の葉は枯れはじめる。鞘はやや光沢のある紫褐色〜褐色。
     小穂は3〜5個で離れてつき、頂小穂は雄性で線形、長さ2〜4cm、側小穂は2〜4個、雌性で広線形、長さ1.5〜3cm。幅約2mm。まばらに果胞をつける。苞は長い鞘状になる。
     雌鱗片は倒卵形、黄褐色〜紫褐色を帯びるが色の濃淡には差があり、円頭で凸端。
     果胞はやや直立し、倒卵状長楕円形、長さ3〜4mm、普通短い軟毛と脈があるが稀に無毛。先は短い嘴となり、口部は凹形、柱頭は3岐。。

  • 分布・生育地 :
     北海道〜九州 (国外:日本固有)
     山地や丘陵地の林内

  • 果(花)期 :   4〜6月

  • 撮影月日・場所 :
     2016年4月10日  神奈川県川崎市
     中上・花時 2015年3月18日    同  上
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・雄、雌小穂 2016年4月10日    同  上
     下左・雌小穂 2016年4月3日    同  上
     右上・葉、右下・基部 2016年4月10日    同  上

  • 撮影記 :
     自宅近くの丘陵地の林下、同じように常緑性のカンスゲとこのスゲが見られる。
     カンスゲの厚く硬い葉に比べ、このスゲの葉はやや厚いが柔らかいので区別でき、家の近くではこのスゲの方が多く見られる。
     低地では比較的早く咲き出すが、3月は中上の写真に見られるようにまだ花の状態で、小穂が熟すのは早くても4月になる。
     全国的に広く分布するせいか、変化が多い種のようである。

  • 葉

    基部

    同じ科の仲間の花
ミヤマカンスゲ(花時)

雄・雌小穂

雌小穂