ヌカスゲ(糠菅)

Carex mitrata


ヌカスゲ1


  • 科名・属名 : カヤツリグサ科 スゲ属(ヌカスゲ節)

  • 特徴 :
     草丈10〜30cmの多年草。
     茎は叢生し、匐枝を出さない。基部の鞘は褐色が目立ち、光沢があり、ほとんど繊維状に分解しない。
     葉は線形、幅1.5〜2mm。
     小穂は上部に3〜4個が接近してつき、根際にも長い柄を持った小穂をつけることが多い。雄小穂は褐色で極めて細長い線形、雌小穂も線形で細い。苞は短い鞘部があり、葉身は刺状で短い。
     雌鱗片には芒がない。果胞は長さ約2.5mm、無毛か短毛が散生し、嘴は短く、先は少し外曲する。果実の横断面は3稜形、頂部に付属体がある。

  • 分布・生育地 :
     本州(福島県以南)〜九州 (国外:朝鮮、中国)
     疎林や日当たりのいい林縁

  • 花期 :   3〜5月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2022年3月30日  神奈川県足柄上郡
     中上・全体2、以下全て    同  上
     (上、中上、中中は拡大写真あり、写真をクリック)

  • 撮影記 :
     春早い時期から現れ、ノゲヌカスゲのよく似ているが、雄小穂に芒がないことが特徴である。
     神奈川県でも自宅付近にはノゲヌカスゲは見られるものの、この花はなかなか見つけられずなかった。
     「神奈川県植物誌」を見ても多いのは県中西部ろのことで、3月末の暖かい日を選んで探しに出かけた。
     バスを降り、この辺りではと目星をつけたいた場所でスゲを見つけ、ルーペで雌鱗片を見ると芒がなくこの花とわかった。

  • 雌鱗片(左)・果胞(右)

    果胞(左)・果実(右)

    基部の鞘

    同じ科の仲間の花
ヌカスゲ2

ヌカスゲ3(根際の小穂)

雄・雌小穂

雌小穂