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- 科名・属名 :
カヤツリグサ科 スゲ属(ヌカスゲ節)
- 特徴 :
草丈(葉)30〜50cmの多年草。
根茎は短く叢生する。基部の鞘は脈が褐色を帯び、やや繊維に分解する。
葉は線形で著しく長く、幅4〜7mm、質は硬く、表面(上面)はざらつく。
有花茎は葉より著しく短くて葉中に埋もれ、長さ10〜20cm。頂小穂は雄性、線形で長さ1.5〜3cm、雌小穂より普通短い。雌小穂は雌性、基部で枝分かれするため多数が束生するように見える。苞は下方のものは有花茎より長い。
雌鱗片は果胞より短く、長さ2〜3mm、鈍頭、緑白色でやや褐色を帯びる。
果胞は長卵形で浅く瓢箪状に括れ、長さ3.5〜4mm、細脈が多数あり、無毛。先は急に嘴となり、縁には刺毛がある。
痩果は菱状の3稜形、長さ2.5〜3mm、黒色に熟し、頂部は痩果の2/3の幅の平盤状。柱頭は3岐。
- 分布・生育地 :
九州(奄美大島以南)〜沖縄 (国外:台湾、東南アジア、スリランカ、オーストラリア北部) 山地の常緑広葉樹林下
- 果(花)期 : 10〜12月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2017年11月6日 沖縄県国頭郡 中上・全体2 2015年11月30日 同 上 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 中下・小穂 2017年11月6日 同 上 左下・果胞、痩果、右下・葉基部 同 上
- 撮影記 :
秋〜冬は本土でスゲ類といえばナキリスゲなどごく限られた種類しかないが、さすが南国沖縄、何種類かのスゲがこの時期花(果)期を迎える。
このスゲは登山道際などで点々と見かけるが、小穂が葉より著しく短く葉の中に埋もれたようになるため、意外と見過ごしやすい。
最初に見かけた時は果期的にも少し遅かったためか、少し触っただけで果胞がポロポロと落ち、あまり絵にはならなかった。
後日、もう少し早い時期に別の場所で出会い、今度は熟した果胞を採ってきて撮影したが、痩果も含め面白い形をしていた。
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