オクノカンスゲ(奥の寒菅)

Carex foliosissima var. foliosissima


オクノカンスゲ1

  • 科名・属名 :
     カヤツリグサ科 スゲ属(ヌカスゲ節)

  • 特徴 :
     草丈15〜40cmの多年草。
     根茎はやや伸長し、疎らに叢生し、匐枝がある。
     葉は常緑、線形で硬く、光沢があり、幅5〜10(-20)mm。上面に2条の肋があり、断面はややM字状になる。新葉の基部の鞘は長く延び、黒紫色で光沢がある。
     頂小穂は雄性、やや根棒状で長さ1.5〜4cm。側小穂は2〜4個、雌性で短い円柱形、長さ2〜3cm、幅4〜5mm、苞には長い鞘がある。
     雌鱗片は卵形、赤褐色を帯び、果胞より長く、先は鋭尖頭〜鋭頭芒端。
     果胞は広卵形、開出して淡黄緑色〜淡緑色、長さ2.5〜3.5mm、無毛で先は急に短い嘴となる。口部は鋭2歯。痩果は長さ1.5〜2mm。柱頭は3岐。

  • 分布・生育地 :
     北海道、本州、四国(愛媛県)、九州(北部) (国外:サハリン)
     山地の林下

  • 果(花)期 :   4〜6月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2017年4月25日  新潟県岩船郡
     中上・全体2 2017年6月24日  福島県西白河郡
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・雄、雌小穂 2017年4月25日  新潟県岩船郡
     左下・雌小穂 2017年6月24日  福島県西白河郡
     右下・基部の鞘    同  上

  • 撮影記 :
     東北地方に多いことからこの和名がつけられているが、四国や九州の一部にも分布している。
     本州側はカンスゲ、日本海側に本種といったイメージだが、類似の種が数多くあり、同定にはいつも泣かされる。
     新葉の基部の鞘が黒紫色になるという図鑑の記述があったので確認し、黒紫色の鞘の写真(右下)もしっかり撮影することができた。

  • 基部の鞘

    同じ科の仲間の花
オクノカンスゲ2

雄・雌小穂

雌小穂