オオカサスゲ(大傘菅)

Carex rhynchopysa


オオカサスゲ1

  • 科名・属名 :
     カヤツリグサ科 スゲ属(オニナルコ節)

  • 特徴 :
     草丈60〜100cmの多年草。
     太い地下匐枝を伸ばし、群生する。
     基部の葉鞘は太く、一部暗赤褐色を帯びる。
     葉は線形、鮮緑色で幅8〜15mmと幅が広い。
     上方の小穂3〜7個は雄性、互いに接してつき、線形で長さ3〜6cm。下方の小穂2〜5個は雌性、互いに離れてつき、長円柱形で長さ5〜10cm、幅7〜10mm。苞は葉状でほとんど無鞘。
     雌鱗片は披針形で鋭尖頭、果胞と同長か少し短く、褐色を帯び、上方は透明質になる。
     果胞は密につき、熟すと膨らんで開出し、長さ5〜6mm、先は急にやや長い嘴になり、有脈で無毛。口部は鋭2歯、柱頭は3岐。

  • 分布・生育地 :
     北海道〜本州(中部地方以北) (国外:東アジア、シベリア、ヨーロッパ東部)
     山野の湿地

  • 果(花)期 :   6〜8月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2018年7月19日  長野県栂池
     中上・全体2、以下全て    同  上
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)

  • 撮影記 :
     長野県北部、白馬岳の登山口の一つに栂池高原からのルートがある。大雪渓を上りここに下ってくるというパターンが多いが。
     この登山口近くに栂池自然園があり、雪が多いため6〜7月と遅い時期にミズバショウが咲き、雪山をバックにした観光ポスターを見かけたことがある。
    この湿原がミズバショウの他にも多くの湿地性の花があり、ゴンドラやロープウェイで簡単に登ってこられることから、夏は観光客で一杯だ。
     そんな湿原の一角にこのスゲが生えていた。大きい株は高さ1mくらいあり、背の低い植物が多い湿原の上で目立っていた。
     低地の湿地に多いカサスゲという似た名前のスゲがあるが、節が異なってて近縁の植物ではないようだ。

  • 葉

    同じ科の仲間の花
オオカサスゲ2

雄・雌小穂

雌小穂