オオタマツリスゲ(大珠吊(釣)菅)

Carex rouyana


オオタマツリスゲ1

  • 科名・属名 :
     カヤツリグサ科 スゲ属(タマツリスゲ節)

  • 特徴 :
     草丈30〜70cmの多年草。
     叢生して株を作り、基部の鞘は淡色で赤紫色を帯びない。
     葉は線形、幅3〜8cmと幅広く、粉白色を帯びる。前年の葉は枯れ、ほとんど残らない。
     頂小穂は雄性、赤紫色を帯び、長さ1.5〜3cm、常に長い柄がある。側小穂は雌性で1〜3個つき、長く柄があって下垂し、疎らに小穂をつける。
     雌鱗片は果胞よりやや短く、鋭頭で一部褐色を帯びる。
     果胞は長さ6〜7mm、嘴は著しく長く、口部は斜めに切れ、無毛。柱頭は3岐。

  • 分布・生育地 :
     本州(東北地方南部〜近畿地方) (国外:中国)
     丘陵や山地のカシ〜ブナ帯の林内、林縁

  • 花期 :   5〜6月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2020年4月21日  神奈川県川崎市
     中上・雄雌小穂、以下全て    同  上
     (上、中上、中中は拡大写真あり、写真をクリック)

  • 撮影記 :
     新型コロナの蔓延で遠出の花見がままならず、近場の多摩川や多摩丘陵の散策しかできない春になった。
     それならと、以前「神奈川県植物誌」の記録をもとに探したこの花を再度探してみることにした。
     これまで調べたコースや場所とは違うところを探そうと歩き回り、初めての谷戸に足を踏み入れた。
     しかし、大した花は見つけられず、戻りかけた林縁でこの花を見つけた。
     よく似たタマツリスゲとは、雄小穂に長い柄があること、基部の鞘が赤紫色を帯びず淡色であることなど、間違いないことを確認し、ゆっくり撮影した。久々に楽しい1日となった。

  • 基部の鞘

    同じ科の仲間の花
雄雌小穂

雌小穂

雄小穂

雌鱗片・果胞

果胞