シオクグ(潮莎草)

Carex scabrifolia


シオクグ

  • 科名・属名 :
     カヤツリグサ科 スゲ属(シオクグ節)

  • 特徴 :
     草丈30〜60cmの多年草。
     根茎は地下に匐枝を伸ばし疎らに生える。
     茎は3稜形で上部はざらつく。
     葉は線形で茎より長く、幅1.5〜3mm。基部の葉は葉身がなく、赤紫色を帯びた短い鞘だけになる。
     小穂は3〜4個つき、上方の2〜3個は雄性、線形で長い柄があり、長さ2〜4cm。下方の1〜2個は雌性、長楕円形で離れてつき、長さ1〜2cm。
     雌花の鱗片は卵状三角形で褐色を帯びる。果胞は長楕円形でコルク質、細脈があり、長さ6〜8mmと鱗片より長い。先端は急に狭まって太くて短い嘴状になる。

  • 分布・生育地 :
     日本全土 (国外:朝鮮、中国、台湾、ウスリー)
     海岸や河口の塩湿地

  • 果(花)期 :  5〜6月

  • 撮影月日・場所 :
     全体1 2017年5月12日  千葉県香取郡
     中上・全体2    同  上
     中中・全体3 2008年4月26日  鹿児島県屋久島
     (上、中上、中中は拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・雌小穂1 2017年5月12日  千葉県香取郡
     左下上・雌小穂2 2015年4月11日  鹿児島県屋久島
     左下・雄小穂    同  上
     右下・葉 2017年5月12日  千葉県香取郡

  • 撮影記 :
     屋久島の小さな川の河口付近、満潮時には海水に覆われる湿地にこのスゲが生えていた。
     最初に撮影した時はスゲに興味がなく、撮影記録にもコウボウシバと記していた。
     カヤツリグサ科の植物にも興味を持ち始め細部をチェックすると、塩湿地という植生環境、離れてつく雌小穂のつき方から、コウボウシバではなく本種とわかった。
     これらは何とか区別できたが、スゲ類の同定は本当に難しい。
     その後、千葉県の大きな川の河口近くの川岸で群生しているのを見た。
     ここでは、草丈がこの植物の最大長のものが多かったが、川の栄養分の違いが影響しているのだろう。

  • 葉

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シオクグ2

シオクグ3

雌小穂1

雌小穂2

雄小穂