ヤマオオイトスゲ(山大糸菅)

Carex clivorum


ヤマオオイトスゲ1

  • 科名・属名 : スゲ科 スゲ属(ヌカスゲ節)

  • 特徴 :
     草丈20〜40cmの多年草。
     根茎は短く、密に叢生し、匐枝を出さない。
     葉は幅2〜4mm、やや硬く、上面には波状の凹凸があってざらつく。根出葉の基部の葉鞘は褐色〜濃褐色。
     頂小穂は雄性で線形、長さ1.5〜3cm、淡緑白色。側小穂は2〜3個で雌性、長さ1.5〜2.5cm。苞は有鞘。
     果胞は長楕円形、長さ約4mm、嘴が長く密に毛がある。

  • 分布・生育地 :
     本州(関東地方西部〜東海地方) (国外:日本固有)
     山地林下、林縁

  • 果(花)期 :  4〜6月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2016年5月7日  東京都高尾山
     中上・全体2 2021年4月28日  東京都御岳山
     (上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中中・雄、雌小穂 2016年5月7日  東京都高尾山
     中下・雌鱗片、果胞 2021年4月28日  東京都御岳山
     左下・果胞、果実    同  上
     右下・基部の葉鞘    同  上

  • 撮影記 :
     初夏の明るい日差しが降りそそぐ高尾山麓の谷沿いの林道を歩く。
     スミレ類の多い道で春には何度も歩いたが、この時期は春の花も終わり訪れることは少なかった。
     しかし、興味の持ち方が変わると、見える植物が大きく異なり、花は少ないものの果期を迎えたスゲの仲間が多く目に付く。
     道端の法面に大きな株を作っていたこのスゲもその一つで、草姿や果胞に毛が多いなどホンモンジスゲに似るが、雄小穂が淡色であることが異なる。
     また、シロイトスゲ(ヤマイトスゲ)とは果胞に毛のあることで区別される。

  • 基部の葉鞘

    同じ科の仲間の花
ヤマオオイトスゲ2 雄・雌小穂

雌鱗片・果胞

果胞・果実