ミクリ(実栗)

Sparganium erectum


ミクリ

  • 科名・属名
  • : ミクリ科 ミクリ属

  • 特徴

  •  草丈50〜100cmの多年草。
     茎は直立し、地下茎を伸ばして増えるので、時に群落を作る。
     葉は線形で、長さ50〜150cm、幅7〜10mm。質は柔らかく、裏面中央に稜があり、断面は3角形。
     花は上部の葉腋から花序を出し、下部に1〜3個の雌性頭花、上部に7〜15個の雄性頭花をつける。
     果実は径2〜3cmの栗のイガににた緑色の集合果となる。

  • 分布・生育地

  •  北海道〜九州  浅い河川、湖沼、水路

  • 花期
  • : 6〜8月

  • 撮影月日・場所
     2008年7月5日 東京都日野市
     中・花   同 上
     下・果実 2008年8月10日   同 上

  • 撮影記

  •  暑さのピークを過ぎた午後4時過ぎ、自転車を繰って多摩川の土手を走る。植物写真の撮影は午前中がベターなのだが、こう暑くては出歩く気がしない。今日は曇っているし、少し涼しくなってから観察に出かけた。
     夏の平地は花が少ない。堤防上に咲いているのはノカンゾウくらい。植物も夏休みを取っているのだろう。
     堤防上から澄んだ水溜りの中にミクリ見えた。降りて見ると1.5mもあろうかという草丈、その中ほどに開花している花が見えた。花序が葉腋毎に伸び花をつけている。果実になったイガが栗に似ていることでミクリ(実栗)の和名を付けられたこの花のようだ。
     中の花の写真で、下にあるイガの先が白っぽい球形が雌性頭花で、上についている全体が糸くずが集まったような球形が、雄性頭花である。
     河川改修などで減少していると聞くが、多摩川ではその支流も含め所々で見かける。

    同じ科の仲間の花
雄性・雌性頭花

果実