ヤマトミクリ(大和実栗)

Sparganium fallax


ヤマトミクリ

  • 科名・属名
  • : ミクリ科 ミクリ属

  • 特徴

  •  草丈50〜120cmの多年草。
     葉は直立し、線形で、幅1〜2cm。裏面に稜がある。
     花序は分枝せず、花序の下につく雌性頭花は、腋上生(花柄の一部または全部が茎と合着する)で3〜6個つく。上部につく雄性頭花は5〜9個あり、互いに離れてつく。
     果実は径1.5〜2cmの集合果となり、個々の果実は紡錘形。

  • 分布・生育地

  •  本州〜九州  湖沼、河川(流水域では稀)

  • 花期
  • : 5〜9月

  • 撮影月日・場所

  •  2010年7月4日 徳島県三好市
     中・雌性頭花   同 上
     下・雄性頭花   同 上

  • 撮影記

  •  その湿原には、ヒメミクリとこの花の記録があった。ただ、同行のSさんの話では、この花を最近は目にしていないとのことだった。
     小雨に濡れた草むらを注視しながら歩く。ヨシが生い茂った草むらは探しにくい。葉陰にミクリの花が見えた。一つ見つけるとすぐに次の花が目に入ってくる。
     長靴に履き替え、花に近づいて見る。下の方にある雌性頭花が葉の反対側についている。間違いないこの花だ。この花の雌性頭花は、花柄が茎と全部または一部が合着している腋上生と呼ばれる花のつき方が特徴で、合着している部分が長いと上の葉のすぐ下まで伸び、葉の反対側に花がついているように見える。
     湿地の減少に加え、水中の邪魔者として扱われ、減少が著しい水草の一つ、やっと巡り会うことができた。

    同じ科の仲間の花
雌性頭花

雄性頭花