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- 科名・属名 : ラン科 クモキリソウ属
- 特徴 :
草丈15〜40cmの多年草。
偽鱗茎は卵形で長さ1〜3.5cm。
葉は茎の基部に普通2個つき、葉身は卵状楕円形、長さ10〜20cm、幅2〜9cm。先は鈍頭〜やや鋭頭、基部はくさび形、縁は全縁かやや波打つ。葉柄は3〜10cm、翼がある。
花は茎頂に総状に4〜40個やや疎らにつき、濃紫色〜帯紫色、緑色。苞は卵形で先は鋭形、緑色で長さ1〜5mm。背萼片は線状披針形で先はやや鋭形、長さ8〜11mm、幅2.5〜3.5mm、時にわずかに外巻きになり、直立しやや反曲する。側萼片は倒卵形、上方でやや捻れ、大きさは背萼片と同じで、萼片は紫色を帯びる。側花弁は線形、長さ9〜12mm、幅0.5〜1mm、強く外側に巻いて垂れ下がり、紫色を帯びる。唇弁は卵形、長さ8〜10mm、幅5〜7mm、縁は微細な鋸歯があり、基部で反り返り、先は短く尖る。蕊柱は長さ4〜5mm。花粉塊は4個で黄色
- 分布・生育地 :
北海道〜九州 (国外:朝鮮、中国(東北部)、アムール) 山地の林下
- 花期 : 6〜7月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1(円形花) 2009年6月26日 大分県玖珠郡 中上・全体2(方形花) 2012年6月27日 愛媛県西予市 中3・全体3(帯紫色) 同 上 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 左下・花 2009年6月26日 大分県玖珠郡 右下・葉 同 上
- 撮影記 :
以前から四国や九州のセイタカスズムシソウは本州中部で見られる種とは違い、そのうち亜種か別種とされるのではと書いていた。
すると、2019年8月、堤千恵、遊川知久、加藤雅啓氏によって別種のアキタスズムシソウとして発表された。
セイタカスズムシソウとの違いは、唇弁の大きさが小さく、側萼片が広いこととされている。
アキタスズムシは以前から知られていたが正式に発表されていなかった。今回、正式に発表されると、四国や九州のこれらの花もアキタスズムシと同じとされた。
ただ、アキタスズムシの花は濃紫色や帯紫色のものが多いのに対し、西日本のものはほとんどが緑色の花で、帯紫色のものはほとんど見ない(中3の写真)。
また、竹内さんのHP「四国の野生ラン」では、唇弁の形に方形と円形の2つのタイプがあると書かれている。
私も両種のタイプの花を撮影しているが、確かに違いがあるように思われ、これらの疑問は残ったままだ。
近年、クモキリソウ属(Liparis)は新しい種がいくつか発表されているので、今後も新しい発表があるかもしれない。
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