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- 科名・属名 : ラン科 クモキリソウ属
注.アキタスズムシの新種発表に当たり学名が変更(L. makinoana)
- 特徴 :
草丈10〜35cmの多年草。
偽鱗茎は楕円状球茎で長さ1〜3.5cm。
葉は普通2個が茎の基部につき、葉身は広楕円形、長さ6〜12cm、幅3〜5cm。先は鈍頭〜やや鋭頭、基部はくさび形、縁は全縁かやや波打つ。
花は茎頂に総状に4〜30個がやや疎らにつき、淡緑色〜帯紫色。苞は卵状三角形で先は鋭頭、長さ1〜1.5mm。萼片は線状披針形で鈍頭、長さ8〜11mm、幅2〜3mm。側花弁は糸状、萼片と同長。唇弁は倒卵形、長さ9〜12mm、幅6〜9mm、円頭で微凸頭、縁に細かい歯牙がある。蕊柱は長さ約2.5mm、上端の両側に三角形で鈍頭の翼がある。花粉塊は4個、卵状三角形で黄色。
スズムシソウによく似ているが、草丈が高く花が小さい。
- 分布・生育地 :
北海道、本州 (国外:日本固有?) (注.これまで分布域は北海道〜九州とされていたが、堤千絵氏他の発表で本種の分布が北海道、本州とされ、四国や九州のものはアキタスズムシとされたので、国外に分布しているものはセイタカスズムシと判断し、本種は日本固有としたが?) 山地の林下や草原
- 花期 : 6〜7月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2020年7月2日 山梨県富士山麓 中1・全体2 1994年7月17日 山梨県南都留郡 中2・全体3 2020年7月2日 山梨県富士山麓 (上、中1、中2は拡大写真あり、写真をクリック) 中3・花序 1994年7月17日 山梨県南都留郡 中4・花1(正面) 2020年7月2日 山梨県富士山麓 左下・花2(側面)、右下・葉 同 上
- 撮影記 :
スズムシソウに似ているが、花茎は高く、花は少し小ぶりでつき方も少なく、亜高山の草原や林下でたまに見かける。
この花を最初に見たのは山梨県の富士山の眺望が素晴らしい草原だったが、スズムシソウに比べるとはるかに少なく、次に出会ったのは別の場所で2十数年振りだった。
少し離れたところにスズムシソウもあったが、この花の方が約1ヶ月程度花期が遅い。
気になっていたのは、関東や中部地方辺りでみる花は、スズムシソウによく似た紫色を帯びた花をつけるのに対し、四国、九州で本種とされている花は、花が緑色で大きさもやや小振りなものだった。
しかし、2019年、これを別種のアキタスズムシソウとして発表され、長い間のモヤモヤが一掃した。
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