|
- 科名・属名 : ラン科 トラキチラン属
- 特徴 :
草丈10〜20cmの腐生ラン。
茎は卵形の根茎から出て、全体に淡褐色を帯び紫色の斑点がある。
葉は膜質の鞘状葉で2〜5個つき、肉質で淡黄色。
花は茎の先に4〜7個が総状につき、淡褐色。苞は卵形で膜質、淡褐色。萼片は狭卵形、長さ10〜12mm、幅6〜7mm。側花弁は萼片よりやや短く、紫褐色の斑点がある。唇弁は広卵形、全縁で前半分が強く巻き込み、紫褐色の斑点があり、背面は膨れて微細な突起がある。距は長楕円形、長さ8〜10mm、前方に軽く曲がり、先端は太くやや2裂する。
蕊柱は長さ約5mm、中部以下は扁平で、基部の前方に1対の隆起する付属物があり、頭部は太くなる。
和名の由来は、発見者の青木信光氏を記念してつけられている。
- 分布・生育地 :
本州(中北部) (国外:中国(南西部)、台湾) 冷温帯の落葉樹林下
- 花期 : 8〜9月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 1984年9月9日 山梨県 中上・全体2 1986年9月15日 同 上 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 中下・花序 1984年9月9日 同 上 下・花 1986年9月15日 同 上
- 撮影記 :
トラキチラン属は、最近でこそ各地で見つけられていもものの、日本で知られる3種類とも珍しい部類に属していてなかなか見る機会はなかった。
最初に対面したのは、トラキチランを探しに行った際、登山道脇にニョキッと生えていたこの花を見つけ、予定外だっただけに喜んだ。
花茎が何本かまとまって立ち花をつけた素晴らしい花で、その後出会った株はいずれも1〜2本立の寂しいもので、最初に見た株が今でも一番である。
他の2種と比べこの種は新しい自生地の情報をあまり聞かない。
同じ科の仲間の花
|