エゾスズラン(蝦夷鈴蘭)

Epipactis helleborine var. papillosa


エゾスズラン1


  • 科名・属名 : ラン科 カキラン属
     注.APGV分類では、学名(E. helleborine)

  • 特徴 :
     草丈30〜60cmの多年草。
     地下茎は細く、その先に新しい根が出て新株を作る。
     全体に褐色で短い毛が生える。
     葉は5〜7個つき、葉身は楕円状卵形、長さ7〜12cm、幅2〜4cm。先は鋭尖頭、表面や脈上に白色の毛状突起がある。
     花は茎頂に総状花序になって20〜30個つき、花は淡緑色で9〜12mm。萼片は狭長卵形で鋭頭、長さ9〜12mm。側花弁は卵形、萼片より短い。唇弁は卵状披針形、淡緑色で花弁と同長、下唇は半球状楕円形、上唇は三角形。蕊柱は下唇と同長。
     別名 アオスズラン
     ハマカキランとは変種関係にあるとされていたが、APGV、W分類では、両者に形態的な違いはなく同一種としている。

  • 分布・生育地 :
     北海道〜九州 (国外:中国(東北部)、サハリン、カムチャッカ、ウスリー)
     やや高地の林下

  • 花期 :   7〜8月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 1991年8月18日  北海道根室市
     中上・全体2 2007年7月22日  長野県北佐久郡
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・花序 1993年8月7日  長野県八ヶ岳
     左下・花 1991年8月18日  北海道根室市
     右上・葉1 2007年7月22日  長野県北佐久郡
     右下・葉2 2023年7月4日  山梨県八ヶ岳

  • 撮影記 :
     ハマカキランによく似ていて高地の林下に生える。
     どちらいえば盛夏の頃から咲き出すので、咲き始めの秋の花と一緒に見ることが多い。
     上の写真は北海道の海岸林下で撮影したが、日当たりが悪いせいか花付がよくない。
     軽井沢や八ヶ岳山麓で写した中や下の写真のように、林縁など日当たりの良い場所に咲く株の中にはびっしり花がつき、普通はこっちのタイプの方が多い。
     特徴欄に記したが、APGV、W分類ではハマカキランと同種とされた。ラン類の撮影種が1つ減ってしまうのは寂しい。
     ただ、海岸近くと亜高山帯と生育環境がここまで違うので、変種程度の差異はあるのではないだろうか。

  • 葉1

    葉2

    同じ科の仲間の花
エゾスズラン2

花序

花