ハマカキラン(浜柿蘭)

Epipactis helleborine var. sayekiana


ハマカキラン1

  • 科名・属名 : ラン科 カキラン属
     注.APGV分類では、学名(E. helleborine)

  • 特徴 :
     草丈30〜60cmの多年草。
     根茎は短く、時に数本の茎が束生することもある。
     茎は直立し、硬い褐色の縮毛がやや密生する。
     葉は5〜7個つき、葉身は楕円状卵形、長さ約6cm、幅1.8〜3cm。先は尖り、縦脈が著しい。
     花は茎頂に総状花序となり、やや下向きに多数つけ、黄褐色を帯びた淡緑色。萼片は狭長卵形で鋭頭、側花弁は卵形、ともに背面の中央脈は隆起し、脈上に毛が散生する。唇弁は卵状披針形、淡紅色を帯びた白色、基部は椀状で、内側底部に赤いいぼ状突起が密集し、前部は反曲し、つけ根付近に数本の隆起条がある。
     エゾスズラン(アオスズラン)によく似ているが、植生環境や唇弁、萼片の色が異なることで変種とされている。
     ただ、最近のAPGV分類では同一種という扱いになっている。

  • 分布・生育地 :
     本州(青森県〜愛知県)の太平洋側 (国外:日本固有)
     クロマツ林下

  • 花期 :   6〜7月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 1985年6月29日  茨城県那珂郡
     中・全体2 1999年6月20日  茨城県ひたちなか市
     (上、中は拡大写真あり、写真をクリック)
     左下・花 1985年6月29日  茨城県那珂郡
     右下・葉 1999年6月20日  茨城県ひたちなか市

  • 撮影記 :
     本州の太平洋岸の黒松林の下に生える。海岸の松林は人の出入りも多く、関東周辺では減少している。
     この写真は茨城県の松林下で撮影した。ここは、まだ所々に生えていた。
     近くにはオオウメガサソウウンランなどもあり、花の少ない松林下でも楽しめた。
     ただ、APGV分類ではエゾスズラン(アオスズラン)と同一種とされた。ラン科が1種減ってしまったようで寂しい気がする。



  • 同じ科の仲間の花
ハマカキラン2

花