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- 科名・属名 : ラン科 ムカゴトンボ属
- 特徴 :
草丈20〜50cmの多年草。
葉は茎の下方に集まってつく傾向があり、葉身は広披針形、長さ4〜10cm、幅1〜2.5cm。上方のものは小さい。
花は総状に多数がつき、淡緑色。花はムカゴトンボに似ているが、唇弁の側花弁が長さ10〜21mmと長く(ムカゴトンボでは長さ6〜7mm)、仮雄しべが明瞭に盛り上がる。花のつかない苞葉は普通2個程度と少ない(ムカゴトンボでは4〜5個)。
- 分布・生育地 :
四国(南部)、九州(南部、種子島) (国外:中国(南部)、台湾、ベトナム 常緑樹林下
- 花期 : 8〜10月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2019年8月 四国 中上・全体2、以下全て 同 上 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
- 撮影記 :
南九州や種子島にしか知られていない本種によく似た花が四国にあるという情報を耳にし、花仲間と出かけて見た。
現地は常緑林下、やや暗い斜面に数株が点々と生え、花序の下の方の花から咲き始めていた。
図鑑にはムカゴトンボに似ていると書かれているが、唇弁の側裂片がびっくりするほど長く、本種に間違いないだろうと思った。
ラン類は研究者や愛好者が多く、離島ならともかく本土で分布域にない場所で自生地が見つかるということは滅多にないが、植栽と考えられるような場所でないことから、四国にも分布していると判断せざるを得ない。
なお、種子島に産するのはダケトンボ、南九州に産するものは本種と書かれている図鑑もあるが、写真で見る限り同一種と思われ、ヒゲナガトンボとして統一していいのではないかと思われる。
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