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- 科名・属名 : ラン科 ホテイラン属
注.APG分類では、学名(C. bulbosa nar. bulbosa)
- 特徴 :
草丈10〜15cmの多年草。
球茎は2〜3節からなり、狭卵形で、葉を1個つける。
葉は卵状楕円形、長さ2.5〜5cm、幅1.5〜3cm。縦皺が目立ち、縁は波状に縮れ、裏面は紫色。葉柄は長さ1.5〜3cm。
花は花茎の先に、紅紫色の花を1個つける。花茎は基部に膜質で茶色の鞘状葉をつける。苞は広線形で鋭尖頭、長さ1〜2.5cm。萼片と側花弁は開出し、線状披針形で鋭尖頭、長さ2〜3cm、幅3〜4mm。唇弁は太く膨らんで袋状、下垂し、白色で長さ2.5〜3.5cm、内面に淡褐色の斑点があり、背面は袋状に膨らみ、先は2つに分かれて距となる。距は舷部とほぼ同長。蕊柱は扁平で卵状楕円形、長さ約1.5cm。
ホテイランによく似ているが、唇弁の距が唇弁の下まで出ずほぼ同長であるのが相違点である。
白い花をつけるものがあり、
●シロバナヒメホテイラン(f. albiflora)(左下の写真)という。
- 分布・生育地 :
本州(青森県)、北海道 (国外:ヨーロッパ〜北アメリカの亜寒帯に広く分布) 亜寒帯の針葉樹林下
- 花期 : 4〜5月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 1990年4月25日 青森県 中上・全体2(白花と混生)、以下全て 同 上 (上、中上、左下は拡大写真あり、写真をクリック)
- 撮影記 :
最も美しい野生ランの一つであると思う。
青森県の針葉樹林下に咲くと知り、機会があって自生地へ出かけた。
よく似たホテイランは見つけるのに苦労したことから、この花もそう簡単に見つからないだろうと思っていた。
ところが、登山道を登り始めるとすぐに花が見つかり、拍子抜けした。
距が唇弁から突き出ていないのがホテイランと違いとされる。しかし、現地には両方のタイプが見られる。別種とする必要があるのかよくわからない。
また、白花の株も点々と見られ、その割合はホテイランよりはるかに多かった。
その話を花仲間にしたところ、十数年後、花仲間が現地を訪れた。
すると、かっての群生は跡形もなくなっていて、やっと数本みつけただけとのことであった。
自生地の激変に驚くというより、悲しくなった。
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