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- 科名・属名 : ラン科 ホテイラン属
注.APG分類では、学名(C. bulbosa)
- 特徴 :
草丈6〜15cmの多年草。
球茎は狭卵形で2〜3節からなり、少数の根を出す。
葉は根元に一枚つき、葉身は卵状楕円形、長さ2.5〜5cm、幅1.5〜3cm。縦ジワが多く縁は波状に縮れ、裏面は紫色。葉柄は1.5〜3cm。
花は茎頂にに1個つき、美しいピンク色。苞は広線形で鋭尖頭、長さ1〜2.5cm、萼片および側花弁は線状披針形で鋭尖頭、開出し、長さ2〜3cm、幅3〜4mm。唇弁は下垂し、白色で、長さ2.5〜3.5cm、内面に淡褐色の斑点があり、背面は袋状に膨らみ、先は2裂する距となり、舷部より長く突出する。蕊柱は広倒卵形の花弁状、長さ約15mm。
この距が舷部より下に突出することが、基本種のヒメホテイランとの違いとされている。
- 分布・生育地 :
本州(中部) (国外:日本固有) 亜高山帯の針葉樹林下
- 花期 : 5〜6月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2012年6月5日 長野県1 中上・全体2 同 上 中中・全体3 1996年6月8日 同 上2 (上、中上、中中は拡大写真あり、写真をクリック) 中下・花1 1983年5月22日 同 上1 左下・花2 1996年6月8日 同 上2 右上・葉1 2012年6月5日 同 上1 右下・葉2 同 上
- 撮影記 :
植物学者の牧野富太郎氏が「最も美しい野生蘭」と称えたように、日本産のランの中で美しい花の一つといえる。
霧が流れる針葉樹の原生林下、一面のコケの上に咲くこの花を見ると、幻想的で息を呑むという表現がピッタリする。
花を撮影したのはこの花の自生地としては別の場所であったが、今ではごくわずかしか見られなくなった。
距が唇弁の舷部より下に飛び出るのがヒメホテイランとの違いとされているが、ホテイランの中にはそのような花も混在しており、変種とまでするのはいかがなものかと思う。
2012年、もうすっかりなくなっているのではないかと心配していたが、久し振りにこの花に会いに出かけた。
以前撮影した場所とは異なる場所で、運よく2本並びで咲いている花に3ヶ所で出会い、何とか採取されず永らえていることにホッとした。
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