ヒメスズムシソウ(姫鈴虫草)

Liparis nikkoensis


ヒメスズムシソウ1


  • 科名・属名 : ラン科 クモキリソウ属

  • 特徴 :
     草丈3〜8cmの多年草。
     地下茎は肥厚し、卵円形で、長さ4〜7mm。
     葉は2個根元につき、葉身は披針形〜広卵形、長さ1.5〜2cm、幅0.7〜1cm。先はやや鈍頭、基部は次第に細まり、縁は全縁、脈は目立たない。
     花は茎頂に総状花序になり、3〜4個つく。苞は卵形で鋭頭、長さ1.5mm。背萼片と側萼片は披針形、長さ約4mm、淡黄緑色。側花弁は糸状で後方に巻き、長さ約5mm。唇弁は倒卵形、暗紫色で紫褐色の筋が入り、長さ約4mm、先は微細な突起があり、次第にとがり、内に巻き込む。蕊柱は内側猪湾曲し黄色、葯は卵形。

  • 分布・生育地 :
     本州(岩手・栃木・山梨・長野県) (国外:日本固有)
     亜高山の湿った草地

  • 花期 :  6〜7月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2023年7月4日  山梨県
     中上・全体2 、以下全て    同 上
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)

  • 撮影記 :
     若いころは歩くにつれて足が軽くなり、急な登山道も軽く登ったが、最近は喘ぎ喘ぎで休みを入れながら登る。それでもこの花が見られるとあって頑張って登る。
     以前花仲間が長野県の北部で出会っていて、その後探しに出かけたのだが見つけることはできなかった。もう10数年前のことになる。
     やっとたどり着いた自生地にはごくわずかの株が花をつけていて、花期としてはやや遅めの感じだったが、長いこと待ち焦がれていただけに、嬉しさもひとしおだった。
     花はクモイジガバチによく似た感じであるが、より小型で、唇弁の先が巻き込んでいる点などが異なっていた。

  • 葉

    同じ科の仲間の花
ヒメスズムシソウ2

花序

花1

花2(側面)