ヒメヤツシロラン(姫八代蘭)

Didymoplexis brevipes


ヒメヤツシロラン1

  • 科名・属名 : ラン科 ユウレイラン属
     注.APGV分類では、和名はヒメヤツシロラン属、学名(D. micradenis)

  • 特徴 :
     草丈10〜15cmの菌従属栄養植物。
     塊茎は肥厚し、花後、その先端部から長さ約5cmの根を四方に出す。
     茎は直立し、白色で、膜質で三角形の鱗片を3〜5個まばらに圧着し、鱗片は長さ3〜4mm。
     花は茎頂に総状花序となり、4〜7個疎らにつけ、白色。苞は膜質で三角形、長さ約2mm。花は唇弁を除く5個の花被片は合着して唇形の花筒となる。背萼片と側花弁は長さ約5mm、癒着して兜状になり、内側に曲がって3裂し上唇となる。側萼片は癒着して反曲し、先は2裂して下唇となる。唇弁は花筒よりやや短く、広楔状三角形、先は切形、縁は不揃いな鋸歯縁、中央に3個の黄色の乳頭状突起がある。蕊柱は長さ約4.5mm
     ユウライランに似ているが、花被片の長さユウレイランの半分と短い点が異なるとされる。

  • 分布・生育地 :
     九州(種子島、トカラ列島)、沖縄 (国外:台湾、東南アジア、オセアニア)
     亜熱帯の常緑樹林下

  • 花期 :  5〜6月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2012年6月8日  沖縄県石垣島
     中・全体2、以下全て    同  上
     (上、中は拡大写真あり、写真をクリック)

  • 撮影記 :
     「沖縄県レッドデータブック」や「野生ラン」(家の光協会)ではユウライランの別名としているが、「日本の野生植物T」(平凡社)や「琉球植物誌」では別種としている。(注.改訂新版「日本の野生植物」では、ユウレイランを本種に含めている)
     ユウレイランには奄美や沖縄島で何度も出会っているが、八重山列島で出会ったユウレイランは少し感じが異なると花仲間から聞いた。
     自分の目で確かめるしかないと梅雨時の八重山列島に向かい、林下で花だけでなく果実にも出会った。
     例年より花期が早く、いい状態の花が少なかったが、確かにユウレイランに比べ小さく、花の形も少し異なり、同じ株で同時に咲く花が多いような気もする。
     別種と考えていいのだろうか、まだ詳細な検討が必要だと思う。

  • 果実

    同じ科の仲間の花
ヒメヤツシロラン2

花