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- 科名・属名 : ラン科 ユウレイラン属
- 特徴 :
草丈10〜15cmの腐生ラン。
根は肥大して塊根になる。
花茎には数個の鱗片葉がある。
花は茎頂に総状花序になり、数花をつける。花後には花柄が著しく伸長する。
花は長さ5〜10mm、白色で時に淡い黄色や紫色を帯びる。3裂する上唇(背萼片と側花弁)と2裂する下唇(側萼片)は、花筒の中部で合着する。唇弁は広楔状三角形、長さ約5mm、幅約6mm、上面の中央に3個の黄色の乳頭状突起があり、先は切形で不斉の鋸歯がある。蘂柱は長さ約5mm、前方に弓状に曲がり、先端は3裂し、2裂する花粉塊が2個ある。
- 分布・生育地 :
九州(トカラ列島、奄美大島)〜沖縄 (国外:台湾、東南アジア、オーストラリア) 亜熱帯の常緑広葉樹林下
- 花期 : 5〜6月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2006年6月14日 沖縄県国頭郡 中上・全体2 2009年6月21日 鹿児島県奄美大島 中中・全体3 2020年6月14日 沖縄県国頭郡 (上、中上、中中は拡大写真あり、写真をクリック) 中下・花1 2006年6月14日 同 上 左下花2 2020年6月14日 同 上 右下・果実 2006年6月14日 同 上
- 撮影記 :
あまり車の入らない林道は、舗装と未舗装との境目が大きく抉れていて無事通過できそうにない。抉れた箇所を埋める石探しを始めた。すると、道端に咲く白いランが目に入った。
屋久島でコカゲランを見たばかりだけによく似た本種とすぐにわかったが、こんな形でお目にかかれるとは、花が呼んでくれたとしか思えなかった。
奄美大島では1株だけの上、花は半開状態で、撮り直したいと思っていた。
沖縄島でこの花があると聞き、2008年6月に訪れた際、自生地のいくつかを回ってみた。
残念ながら、この花の寿命は1日しかないようで、全て果実になっていた。青緑色を帯びた果実も嬉しかったが、少しショックだった。
しかし、同じ日別の花を探しに入った谷でこれまでここでは見たことがなかったこの花に出会った。
予想外の場所に突然現れすぐ消える、まさに幽霊の名通りの花だった。
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