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- 科名・属名 : ラン科 クモキリソウ属
- 特徴 :
草丈8〜25cmの多年草。
葉は根元に2個つき、葉身は広卵形、長さ3〜8cm、幅2〜4cm。先はやや鋭頭、縁はやや波打つ。葉脈は横脈が顕著なので網目模様がはっきりしている。
花は花茎の先に総状に10〜20個つき、黒褐色〜淡緑色まで変化が多い。苞は三角形でやや鋭頭、長さ1〜1.5mm。萼片は線形、長さ10〜12mm、側花弁は半曲し糸状で鋭頭、長さ8〜10mm。唇弁は長さ6〜8mm、先は急に曲って下に垂れ、舷部は狭倒長楕円形で、縁がわずかに外曲する。蕊柱は長さ約2mm、ほとんど翼がない。
花が緑色のものは(左下の写真)、
●アオジガバチソウ(f. viridis)(左下の写真)という品種とされる。
- 分布・生育地 :
北海道〜九州 (国外:朝鮮) 亜寒帯〜暖温帯の山地林下、崖
- 花期 : 5〜7月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2010年7月4日 徳島県三好市 中上・全体2 2018年6月17日 大分県佐伯市 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 中中・花序 2010年7月4日 徳島県三好市 中下・花 2018年6月17日 大分県佐伯市 左下・アオジガバチ 1979年6月24日 山梨県南巨摩郡 (左下は拡大写真あり、写真をクリック) 右下・葉 2010年7月4日 徳島県三好市
- 撮影記 :
分布は広いうえ個体数も少なくない比較的普通種のランにもかかわらず、仲間のクモキリソウには何度も出会ったにもかかわらず、この花はまともな個体の撮影ができていなかった。
春先、葉はよく見かけるものの、葉だけではクモキリソウと区別ができない。さらに、花の咲くのは梅雨時の低山地とあって、この花を目的に出かけるという気にもなれなかった。
四国の花見である湿原に出かけた。湿地の植物を楽しんだ後、林縁でこの花に出会った。花期的には遅くほとんどが終わりかけていたが、運よく咲き残りの状態のいい花に出会えた。
パッとしない花のイメージが強かったが、じっくり対面して見るとなかなかに趣があり、色は地味ながらもランの風格は備えていた。
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