コハクラン(琥珀蘭)

Kitigorchis itoana


コハクラン1

  • 科名・属名 : ラン科 コハクラン属
     注.APG分類ではコケイラン属、学名(Oreorchis indica)

  • 特徴 :
     草丈30〜40cmの多年草。
     地中の根茎は樹枝状に分枝し、先端がラッキョウ形で白色の球茎となって連珠状に並び、球茎から1個の葉と花茎を出す。
     葉は狭披針形、長さ14〜16cm、幅2〜2.5cm。鋭尖頭で縦皺が著しく、主脈が白く、質は硬い。
     花は茎頂に5〜10個を総状につける。萼片と側花弁は黄褐色、狭楕円形でやや鋭頭で斜開し、長さ1〜1.2cm、幅4〜4.5mm。唇弁は白色で小豆色の斑紋があり、長さ7〜8mm。先は3裂し、中裂片は大きく、先は多少内曲する。蕊柱は湾曲した三角柱で、その腹面の両側はくさび形に突出し、唇弁の基部と繋がって明瞭な顎を作る。

  • 分布・生育地 :
     本州(中部) (国外:中国(西部)、ヒマラヤ)
     亜高山帯の針葉樹林下

  • 花期 :   6〜7月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 1993年7月11日  長野県八ヶ岳1
     中上・全体2 2006年7月8日    同  上2
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・花序 1993年7月11日    同  上1
     左下・花    同  上1
     右下・葉 2006年7月8日    同  上2

  • 撮影記 :
     長野県の八ヶ岳の亜高山帯の林下、コケの上に黄褐色で美しい花を咲かせていた。
     この花の色を琥珀の色に例えて和名がつけられている。
     同じような環境に咲くホテイランと比べると、地味で小さく、遠くから見れば周囲の景色に溶け込んでわからない。
     このため、登山者に折り取られることは少ないものの、生育数が少なく、なかなかお目にかかれない。

     十数年ぶりに薄暗い林下でこのランに出会えた。
     以前撮影した場所は消えてしまったようで気にかかっていたが、ここにはそれなりの株数が見られた。

  • 葉

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コハクラン2

花序

花