クロヤツシロラン(黒八代蘭)

Gastrodia pubilabiata


クロヤツシロラン1

  • 科名・属名 : ラン科 オニノヤガラ属

  • 特徴 :
     草丈2〜3cmの菌従属栄養食物。
     花茎は地上部ではほとんど伸びない。
     花は地表近くの茎頂に1〜8個つき、紫色を帯びた褐色。萼片は長さ約1cm、外側はやや平滑。側花弁は狭長楕円形で、長さ約4mm、幅約2mm、萼片と合着し、先で少し分かれ平開する。唇弁はより濃色で、表面に黄白色の毛が密に生え、基部に1対の球体があり、表面は網目状突起に覆われ、前部の急に細くなるあたりに2列の短い縦うねがある。蕊柱の腹側の中ほどにせり出した半円形の翼が発達し、上端には1対の角状翼が目立つ。
     果実の時期には茎が長さ20〜40cmに伸びよく目立つ。

  • 分布・生育地 :
     本州(関東地方以西)、四国、九州 (国外:韓国(済州島)、台湾)
     暖温帯の常緑広葉樹林、杉林、竹林下

  • 花期 :   9〜10月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 1999年9月23日  神奈川県横須賀市
     中上・全体2 1986年10月5日  静岡県磐田市
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・花 2002年10月4日  神奈川県横須賀市
     下・果実 1999年10月6日    同  上

  • 撮影記 :
     比較的最近分けられたランで、レッドデータブックではTBとされているが、もっと多くの地域に分布していると思う。
     開花時でも高さ3cm以下なのでなかなか見つけらず、花後大きく伸びた果実の場所をチェックしておき、翌年確認する方法が見つけやすい。
     とはいえ、翌年チェックした場所を訪れても、常緑樹林下の自生地では落ち葉の色に紛れて見つけにくく、最初の花を見つけるまでが大変だ。
     竹林では白っぽい笹の葉のため比較的見つけやすく、最初に出会った静岡県の竹林ではアキザキヤツシロランと一緒に咲いていた。

  • 同じ科の仲間の花
クロヤツシロラン2

花

果実