ミヤマモジズリ(深山文字摺)

Neottianthe cucullata


ミヤマモジズリ1

  • 科名・属名 : ラン科 ミヤマモジズリ属

  • 特徴 :
     草丈10〜20cmの多年草。
     根茎は一部肥厚して球状になり、茎を出す。
     葉は普通根元に2個つき、葉身は長楕円形〜楕円形、長さ3〜6cm、幅1〜2.5cm。茎の上部には線形の鱗片葉がつく。
     花は総状に一方向いてらせん状に多数つき、淡紅色。苞は披針形。萼片と側花弁は狭披針形、長さ6〜8mm、兜状になる。唇弁は狭い楔形、長さ7〜8mm、3裂し、基部に紅紫色の斑点があり、表面には微突起がある。距は前方に湾曲し、長さ5〜6mm。蕊柱は長さ約1mm。花粉塊は淡黄色。

  • 分布・生育地 :
     北海道、本州(中部地方以北)、四国 (国外:朝鮮、中国〜ヒマラヤ、千島列島、サハリン、シベリア、東ヨーロッパ)
     亜高山や深山の針葉樹林下や林縁、沢沿いの湿った岩上

  • 花期 :  7〜9月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 1993年8月29日  長野県八ヶ岳
     中上・全体2 2005年9月1日    同  上
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中中・花序 2000年9月15日  長野県諏訪郡
     中下・花 1986年8月31日  山梨県富士山
     左下・果実 2022年9月4日  長野県下伊那郡
     右上・葉1 1993年8月29日  長野県八ヶ岳
     右下・葉2 1986年8月31日  山梨県富士山

  • 撮影記 :
     花の撮影を始めたばかりの頃、高山植物のシーズンが終了する8月〜9月に咲くこの花を探して、八ヶ岳、富士山、富士五湖周辺と何ヶ所も歩いた。
     そんなに少ない花ではないはずなのに、何度目かでやっと富士五湖周辺でお目にかかった。
     1度出会うとその後は何度も出会い、割合によく見る花となった。
     あまり浅い山にはなく、針葉樹林下に開かれた別荘地や道路脇、沢沿いの岩上などに咲いていることが多い。
     花がらせん状につくことがモジズリ(ネジバナ)に似ていることから和名がつけられている。

  • 葉1

    葉2

    同じ科の仲間の花
ミヤマモジズリ2

花序

花

果実