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- 科名・属名 : ラン科 ネジバナ属
- 特徴 :
草丈10〜40cmの多年草。
根茎は数個が紡錘状に肥厚する。
葉は根出に数個つき、葉身は線形〜狭披針形〜広線形、長さ5〜20cm、幅3〜10mm。先は鋭頭で、基部は鞘となる。鱗片葉は数個つき、披針形で茎に圧着する。
花は茎頂にらせん状に捻れた総状花序となって多数つき、淡紅色。花茎、苞、萼片は有毛。苞は披針形、長さ4〜8mm。萼片は披針形、長さ約5mm、側萼片は横に開く。側花弁は萼片よりやや短く、背萼片とともに兜状になる。唇弁は倒卵形で鈍頭、白色、長さ5〜6mm、先は反曲し、縁に細かい歯牙があり、基部の両側に光沢のあるいぼがある。
別名 モジズリ
また、稀に白花のものがあり、
●シロバナモジズリ(f. albescens)(中下の写真)という。
秋に花を咲かせるものもあり、
●アキネジバナ(f. autumnus)(左下の写真)という。
- 分布・生育地 :
北海道〜九州(トカラ列島以北) (国外:ロシアより東のユーラシア大陸の亜寒帯〜暖温帯に広く分布) 日当たりのよい草地
- 花期 : 5〜8月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 1990年8月19日 北海道アポイ岳 中1・全体2 1995年7月2日 茨城県水海道市 (上、中1は拡大写真あり、写真をクリック) 中2・花 2019年7月1日 東京都伊豆諸島1 中3・果実 2023年6月21日 東京都あきる野市 中下・シロバナ 1996年7月13日 同 上2 (中下は拡大写真あり、写真をクリック) 左下・アキネジ 2022年9月9日 東京都八王子市 右上・葉 2019年7月1日 東京都伊豆諸島1 右下・花序 2013年7月21日 広島県廿日市市
- 撮影記 :
都会の芝生の中や、中央分離帯の草の中など、最も身近なランである。
以前、大阪の大学病院の玄関脇の芝生の上では、遠くから見てもピンクに見えるくらい数多くの花が咲いていた。
右下の写真のように花序には毛があるが、南西諸島には花序に毛のないナンゴクネジバナが分布し、本土でも最近花序に毛のないハチジョウネジバナが新種として発表された。
名前のよく似たミヤマモジズリは、花のつき方が似ているものの、別の属である。
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