モイワラン(藻岩蘭)

Cremastra aphylla


モイワラン1

  • 科名・属名 : ラン科 サイハイラン属

  • 特徴 :
     草丈30〜50cmの多年草。
     根茎は珊瑚状に分枝しする。
     葉は一般的には退化してない。
     花は花茎の一方に偏ってつき、紅紫色、長さ3〜4cm。花茎も紅紫色。蕊柱の下部は膨らまない。
     一見サイハイランによく似た花であるが、最初変種とされたこともあったが、基本的には葉がなく、花色も赤紫色が濃いことなどから別種とされた。
     そのほかの違いは、花の開花角度が狭い、ずい柱先端部に近い腹側に翼がない、1花茎あたりの花数が少ないこととされている。
     四国などで見つかったものはトクシマサイハランとされたが、ここでは同一種との考えに従った。
     別名 トクシマサイハイラン

  • 分布・生育地 :
     北海道、本州、四国 (国外:日本固有)
     山地の針葉樹林下

  • 花期 :   5〜6月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2009年5月30日  徳島県
     中・全体2 2009年6月6日  埼玉県
     (上、中は拡大写真あり、写真をクリック)
     左下・花 2009年5月30日  徳島県
     右下・葉 2009年6月6日  埼玉県

  • 撮影記 :
     葉のないサイハイランのようなこの花、北海道の藻岩山で見つけられ名付けられているが、これまで北海道や東北地方で見つかっていた。
     近年、四国や、中部、関東地方でもこの花によく似た花が見つけられ、基部に葉芽があり、北のものとは違うとし、「高知県植物誌」ではトクシマサイハイラン(仮称)とされている。
     四国産のこの花を見るため、地元の方の案内で山奥に入り、急な斜面で十数本立ちの群落に出会った。
     想像していた感じよりもはるかに立派で、濃赤紫色の花はサイハイランとはまるで違う感じの花で、興奮して撮影した。
     いいことは続くもので、翌週、関東地方で小さな葉のつくタイプにも出会うことができた。
     中の写真のように、小さな葉が1枚ある以外、花は徳島で見たものと変りはなかった。葉はあるものの右下の写真のように、サイハイランの葉に比べるとはるかに小さかった。
     北のタイプと南のタイプの中間とも思われる花、どういう位置づけになるのだろう。

  • 葉

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モイワラン2

花