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- 科名・属名 : ラン科 ムカゴサイシン属
- 特徴 :
草丈5〜10cmの多年草。
地下に球茎があり、シュートを伸ばす。
葉は根生し、普通1個、花後に生じ、葉身は角ばった心円形、長さ幅とも3〜5cm。花茎には疎らに2〜3個の膜質の鞘状葉がある。
花は花茎の先に横向きに1個つき、汚れた紅紫色、やや筒状でほぼ半開状態で咲く。背萼片、側萼片は披針形、長さ約10mm、側花弁も同形でやや短く、先端部に乳頭状突起はない。唇弁は細長くて先は3裂し、白色で内面に紫色の斑点があるが、毛の束はない。蕊柱は唇弁後部に囲まれ、長さ約5mm。
ムカゴサイシンに極似するが、側花弁の乳頭状突起と唇弁の内側に毛の束がないことが異なる。
- 分布・生育地 :
九州(宮崎・鹿児島県)〜沖縄 (国外:日本固有?) 常緑林下
- 花期 : 3〜5月?
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2022年4月13日 沖縄県石垣島 中上・全体2 2021年4月21日 同 上 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 中中・花 2022年4月13日 同 上 中下・花 2021年4月20日 同 上 左下・果実 2022年4月13日 同 上 右上・葉(表)、右下・葉(裏) 同 上
- 撮影記 :
常緑樹の暗い林下、いくら目を凝らしても何も見当たらない。花仲間と手分けした探すと、やっと小さな葉や果実が見つかったが、時間が遅くて一層暗くなり、今日の探索はあきらめた。
翌日期待して再度訪れると、わずかながら開いている花を見つけ、十分な開花ではなかったものの、なかなか見られる花ではないのでしっかり撮影した。
ただ、沖縄にはムカゴサイシンも分布しているので本種かどうか分からず、後日専門家に同定してもらって本種とわかった。
違いは特徴欄にも記したが、花内部の突起や毛の有無で、もう少し開花するか花を分解しないと同定は難しそうだ。
また、この仲間は普通花が終わった後に葉が出てくるので同時に見ることはできないが、ここでは花や果実と同時に葉も見られた。想像以上に花期が長いのではないだろうか。
沖縄だけでなく、九州(宮崎、鹿児島)などでもムカゴサイシンの群落の中で見つかっているようだ。
翌年、少し時期を早めて再チャレンジした。今回は1株だけだったが、何とか花弁が半開状態の花に出会うことができた。
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