|
- 科名・属名 : ラン科 サギソウ属
- 特徴 :
草丈15〜40cmの多年草。
地中に発達した塊根から地上茎を出す。
葉は茎の下部に3〜5個つき、広線形〜狭披針形、長さ5〜10cm、幅3〜6mm。その上部に少数の鱗片葉がある。
花は茎頂に1〜5個つき、白色で、径約3cm。苞は線状披針形、長さ約5mm。萼片は緑色、背萼片は広卵形、側萼片は歪んだ卵形、長さ2〜2.5mm。側花弁は歪んだ卵形、背萼片とともに兜状になり、下半部外縁に不揃いの鋸歯がある。唇弁は幅約3cm、大きく3深裂し、側裂片は扇形に展開し、先が糸状に裂け、中央裂片は披針形。距は長さ3〜4cm、斜めに下垂し、先は次第に太くなる。
- 分布・生育地 :
北海道〜九州 (国外:朝鮮、中国(東部)、極東ロシア) 亜寒帯〜暖温帯の日当たりのよい湿地
- 花期 : 7〜9月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 1979年8月5日 千葉県山武郡 中・全体2 2006年8月13日 広島県世羅郡 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 中下・花 1996年8月25日 茨城県西茨城郡 下・花2(側面) 2005年8月21日 愛知県豊橋市
- 撮影記 :
ランの類には鳥や昆虫の名前を付けた花が多い。
その中でも、白鷺が舞っている姿に模したこの花とスズムシソウが、似ているということでは双璧ではないかと思う。
比較的標高の低い湿地に生育するため、開発の影響や人に採られることが多く、今残っているのは保護された湿地が中心である。
食虫植物で有名な千葉県の湿地も、乾燥化が進んできたためか、最近は大発生することがなくなった。
園芸用に栽培されることが多く、中にはそれを湿地に植える人がいる。産地により遺伝子がすこしづつ違うことから、かえって自然の体系を狂わすことになることを知って欲しい。
2006年、広島県で自然の状態でまとまって咲くこの花に出会った。
保護された自生地では群生を見かけるものの、まだこのような湿地が残されているのは嬉しい限りだ。
同じ科の仲間の花
|