シュンラン(春蘭)

Cymbidium goeringii


シュンラン1


  • 科名・属名 : ラン科 シュンラン属

  • 特徴 :
     草丈10〜25cmの多年草。
     球茎は節間が短縮し、葉を束生する。
     葉は3〜5個つき、葉身は線形、長さ20〜35cm、幅6〜10mm。先は鋭尖頭、基部は鞘になり、縁に細かい鋸歯があり、触れるとざらつく。
     花は茎頂に1個(稀に2個)つき、黄緑色。苞は鞘がなく披針形で鋭頭、長さ3〜4cm。花茎はやや肉質で、数個の膜質の鞘状葉に包まれる。萼片は倒披針形でやや肉質、長さ3〜3.5cm、幅7〜10mm、よく開出する。側花弁は萼片と同形、長さははやや短く、蕊柱の上に被さる。唇弁は舌状で先は反曲し、萼片より少し短く、乳白色で紫褐色〜濃赤紫色の斑点があり、中央付近に小型の側裂片がある。基部中央に2条の隆起がある。蕊柱は長さ約15mm、葯は白色。

  • 分布・生育地 :
     北海道(奥尻島)〜九州 (国外:朝鮮、中国〜ヒマラヤ西部)
     暖温帯のやや乾いた明るい林下

  • 花期 :   3〜4(−5)月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 1987年4月18日  滋賀県伊吹山
     中上・全体2 1995年4月8日  東京都高尾山系
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・花1 1978年3月26日    同  上
     左下・花2 1978年4月5日    同  上
     右上・葉 1986年5月17日  新潟県佐渡ヶ島
     右下・葉縁 2023年4月10日  大分県中津市

  • 撮影記 :
     まだ芽吹いたばかりの明るい雑木林の下、スミレ類が春の訪れを精一杯楽しむかのように咲いている。
     この花も負けじとその端正な姿で胸を張っている。
     関東周辺のラン類ではポピュラーな種類の一つで、この花を見るとやっと冬眠の季節が終わり、今年の花見行が始まったなという気になる。
     葉の縁を触るとざらつくのが、ざらつかないカンランとの違いで、カンランの自生地では葉をチェックしてみるもありだが、自生地でもカンランに出会えることはまずない。

  • 葉

    葉縁

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シュンラン2

花1

花2