タガネラン(鏨蘭)

Calanthe davidii var. bungoana


タガネラン1

  • 科名・属名 : ラン科 エビネ属
     注.APGV分類では、学名(C. bungoana)

  • 特徴 :
     草丈50〜80cmの多年草。
     球茎は細く、小さい。
     葉は5〜6個つき、葉身は線状披針形、長さ30〜60cm、幅1.5〜3cm。先は鋭尖頭で無毛。
     花は長い花茎の茎頂に50個程度、黄緑色の小さい花を密につける。花茎には白色の短い軟毛がある。萼片は卵形で鋭頭、長さ7〜10mm。側花弁は倒披針形、長さ6〜10mm、萼片と側花弁は周りが外に巻くとともに後ろに反り返る。唇弁は普通のランの花とは逆で上に位置し、長さ7〜8mm、3裂し、側裂片は楕円形でよく発達して外側に反り、中央裂片は卵形で小さく、先が広がって2裂し、鈍頭。基部に3個のトサカ状の目立つ隆起がある。距は真直ぐ伸び、長さ7〜9mm。

  • 分布・生育地 :
     九州(大分県) (国外:日本固有)
     石灰岩地林下

  • 花期 :   6月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 1994年6月12日  大分県
     中上・全体2、以下全て    同  上
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)

  • 撮影記 :
     大分県のごく狭い地域だけに分布し、珍しいが故に乱獲されたと聞き、自生の撮影は無理とあきらめていた。
     ある日、撮影できる可能性があるとの情報を得て、梅雨の中大分へ向かった。
     現地は、山間の谷沿いの斜面、しかし、見つけた株は天候なのか虫害なのか、花穂が全て腐っていて開花している株は見あたらなかった。
     あきらめて戻る途中、やっと1株だけ開花している花を見つけた。
     その株は草丈が80cm近くある大きなもので、その茎頂に花を咲かせるため、撮りづらいこと甚だしい。
     風の影響もあり、沢山写したカットのうち使えるのはほんの数枚だった。
     その自生地も、十数年後訪れた時は全く見当たらなかった。
     和名は、葉がカヤツリグサ科のタガネソウに似ていることからつけられたようだが、もっとイメージのわく名前はなかったのだろうか。

  • 葉

    同じ科の仲間の花
タガネラン2

花序

花