タカネフタバラン(高嶺双葉蘭)

Listera pinetotum


タカネフタバラン1

  • 科名・属名 : ラン科 フタバラン属
     注.APG分類ではサカネラン属、学名(Neottia puberula)

  • 特徴 :
     草丈15〜20cmの多年草。
     茎は繊細で直立する。
     葉は茎の中ほどよりやや上部に2個が対生状につき、葉身は腎心形、長さ1.5〜3cm、幅2〜3cm。花茎に2〜3個の鱗片葉があり、葉身は披針形で鋭尖頭、長さ1〜3mm。
     花は茎の上部に総状花序となって5〜10個つき、花弁は透きとおったような淡緑褐色。萼片は狭長楕円形で鈍頭、長さ約2mm。側花弁は線形、萼片とほぼ同長。唇弁は長さ6〜8mmで先が2裂し、縁には微毛があり、裂片は楕円形で鈍頭。基部上面に1対の突起があるが、耳状の裂片はない。
     果実(刮ハ)は卵形。

  • 分布・生育地 :
     北海道〜本州(中部地方、関東地方北部) (国外:朝鮮、中国(東北〜北部)、ウスリー、サハリン、シベリア東部)
     亜寒帯〜冷温帯の針葉樹林下

  • 花期 :   7〜8月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 1984年9月9日  山梨県北岳
     中上・全体2 2007年9月1日  山梨県八ケ岳
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・花序 1986年8月19日  静岡県富士山
     左下・花 2020年8月7日    同  上
     右下・葉    同  上

  • 撮影記 :
     フタバラン属では、ミヤマフタバランとともに奥深い山に分布している。
     これまで、南アルプスや富士山の樹林下で見ている。
     図鑑の記述より、割合に花付がよくにぎやかな感じもあるものの、透き通ったような薄緑の花は、何となく深山の趣を感じさせてくれる。

  • 葉

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タカネフタバラン2

花序

花