ミヤマフタバラン(深山双葉蘭)

Listera smallii var. nipponica


ミヤマフタバラン1

  • 科名・属名 : ラン科 フタバラン属
     注.APG分類ではサカネラン属、学名(Neottia nipponica)

  • 特徴 :
     草丈10〜25cmの多年草。
     茎は直立し、紫色を帯びる。
     葉は茎の中ほどに2個対生状につけ、葉身は広心形、長さ、幅とも10〜25mm。先は急に短く尖り、基部は切形〜やや心形。濃緑色で光沢がある。鱗片葉はないか、あっても1個。
     花は総状花序になって3〜10個がやや疎らにつき、淡黄緑色で赤紫色を帯びるものや緑色。苞は斜開し広披針形、長さ1〜2mm。背萼片は狭披針形で鈍頭、長さ3〜4mm、側萼片はほぼ同長で基部から著しく反曲する。側花弁は狭長楕円形、萼とほぼ同長。唇弁はくさび状広倒卵形、長さ6〜8mm、基部に耳状裂片があり、先は2深裂し、裂片は楕円形で円頭、裂片の長さと幅はほぼ等しい。蕊柱は真っ直ぐで短い。

  • 分布・生育地 :
     北海道〜本州中部、四国・九州(一部) (国外:朝鮮、千島列島、サハリン、ウスリー)
     亜寒帯〜冷温帯の針葉樹林下

  • 花期 :   7〜8月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 1983年7月31日  山梨県富士山
     中上・全体2、中中・花序    同  上
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・花 2020年8月19日    同  上
     左下・果実、右下・葉    同  上

  • 撮影記 :
     この属の中ではタカネフタバランと同様、比較的標高の高い所に生えている。
     この写真を撮影した富士山は、火山で山が新しく高山植物といわれる花の種類は少ない。
     それでも中腹以下の林下には色々な植物が見られ、この花も、中腹の針葉樹林下にポツポツと生えていた。
     他にもシャクジョウソウコイチヤクソウが散見され、当時はオニクもあった。

  • 葉

    同じ科の仲間の花
ミヤマフタバラン2

花序

花

果実(刮ハ)