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- 科名・属名 : ラン科 ツチアケビ属
注.APG分類ではタカツルラン属、学名(Erythrorchis altissima)
- 特徴 :
長さ5m時に20mにもなるつる性の多年草。菌従属栄養植物。
地上茎は赤褐色で細いが長く伸び、樹幹をよじ登る。
葉は退化し、鱗片状の苞葉となる。
花は茎頂に複総状花序になり、多くの花をつける。花は淡黄色〜淡黄褐色で径約3cm。萼片は線状長楕円形、長さ10〜15mm、幅4〜5mm。側花弁はやや短い。唇弁は舟形〜広倒卵形、先は細かい波状縁となり、内面中央に肥厚した肉質の隆起があり、短毛に覆われるが、先端は無毛で二股状になる。唇弁の前縁のすぐ後方に、馬蹄状で無毛の肉質隆起がある。唇弁の内側は全体として横皺がある。蕊柱はやや長く、湾曲する。
果実(刮ハ)は根棒状で、長さ10〜15cm、径約1cm、乾くと裂開する。
別名 ツルツチアケビ
- 分布・生育地 :
九州(種子島以南)〜沖縄 (国外:台湾、東南アジア、ヒマラヤ) 亜熱帯〜熱帯の常緑樹林下
- 花期 : 5〜6月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2010年6月27日 沖縄県国頭郡 中上・全体2、中下・花 同 上 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 左下・果実 2013年9月4日 同 上 右下・苞葉 2020年6月14日 同 上
- 撮影記 :
樹幹を這い上がり、時には10mを超える樹上で花を咲かせる特異な形態を持っているため、花を撮影するには好条件が重ならないと難しい。
期待を持って訪れたやんばるの奥地、願いが通じたのか目の高さに咲いている花に出会った。這い上がっている大木が斜面に生えているうえ尾根側に倒れこみ、しかもよじ登ることができるという好条件だった。
近くでじっくり観察すると、別名ツルツチアケビというようにツチアケビに花はよく似ているが、この花の方が全体的に地味な色合いだ。
花が咲くとその枝は枯れてしまうため、翌年はここでは見ることができない。こんな好条件の機会は少ないだろうと、思う存分フィルムを費やした。
また、花が終わると左下の写真のようにインゲンのような長細い果実を付ける。
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