ミミガタテンナンショウ(耳形天南星)

Arisaema undulatifolium var. ionostemma


ミミガタテンナンショウ1


  • 科名・属名 : サトイモ科 テンナンショウ属
     注.APG分類では学名(A. limbatum)

  • 特徴 :
     草丈30〜80cmの多年草。
     葉は2個つき、7〜11の小葉からなる。小葉は卵形〜楕円形で幅が広い。葉柄は花の頃は短いが、花後大きくなる。
     仏炎苞は濃紫色〜暗紫色で、筒部の長さは4.5〜8cm、口辺部が耳状に著しく開出する。
     付属体は棒状〜根棒状で、先端は円く、径0.3〜1cm。

  • 分布・生育地 :
     本州(東北地方手〜静岡県の太平洋側、淡路島)、四国(高知県沖ノ島)、九州(大分県) (国外:日本固有)
     山野の林下

  • 花期 : 4〜5月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 1996年5月25日  神奈川県箱根
     中上・全体2(オキノシマ型) 2019年4月14日  大分県佐伯市
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中中・花1 1978年4月30日  神奈川県津久井郡
     中下・花2(付属体1) 2015年4月3日  東京都高尾山
     左下・花3(付属体2) 2019年4月14日  大分県佐伯市
     右上・葉1    同  上
     右中・葉2(斑入) 2024年4月16日  東京都八王子市
     右下・偽茎開口部    同  上

  • 撮影記 :
     ヒガンマムシグサの変種(注.APG分類では独立種)で、小葉が楕円形で幅広い、仏炎苞が大型で、口辺部が大きく開出するなどの違いがある。
     仏炎苞の口辺部が大きく反り返り、耳たぶがあるように見えることからこの和名がつけられている。
     高尾山を初め、関東地方の低山地の春を彩るテンナンショウで、ごく普通に見られる。
     ただ、グロテスクな姿が嫌われるのか、登山道沿いの花の多くが、首(花)を刎ねられた姿をさらしているのは痛々しい限りだ。
     以前、高知県沖ノ島にオキノシマテンナンショウとされる花があったが、現在では本種とされ、最近九州(大分県)でもこのタイプのものが見つかった(中上の写真)。
     特徴は仏炎苞の耳が著しく大きいことなどで、中上の写真でそのことがよく分かるだろう。

  • 葉1

    葉2(斑入り)

    偽茎開口部

    同じ科の仲間の花
ミミガタテンナンショウ2(オキノシマ型)

花1

花2(付属体1)

花2(付属体2)