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- 科名・属名 : サトイモ科 テンナンショウ属
- 特徴 :
草丈40〜60cmの多年草。
球茎は扁平で、多数の子球がつく。
葉は普通1(〜2)個つき、鳥足状に11〜17個の小葉からなる。小葉は狭倒卵形〜長楕円形〜狭卵形、長さ9〜25cm、中央の裂片が一番大きい。先は鋭尖頭、縁は全縁。深緑色で両面無毛。葉柄は太く、長さ40〜60cm。偽茎は葉柄より短い。
花は雌雄異株で、葉柄の基部から花茎を出し、花序は葉より下につく。仏炎苞は長さ12〜18cm、筒部はやや白色を帯びた紫褐色で、内側は濃紫色で白条があり、口部はやや開出し、舷部は三角形状の卵形〜広卵形、先は長鋭尖頭。付属体は暗紫色で下部は紫褐色、全体に平滑、下部で膨らんで先は次第に細くなり、長さ60cmに達し、仏炎苞から長く飛び出す。
- 分布・生育地 :
北海道(南部)〜九州(佐賀県) (国外:日本固有) 平地から低山地の木陰、野原
- 花期 : 4〜5月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2008年4月19日 栃木県宇都宮市 中上・全体2 1996年5月5日 東京都伊豆七島 中下・全体3 1995年4月29日 千葉県四街道市 (上、中上、中下は拡大写真あり、写真をクリック) 左下・花序 2008年4月19日 栃木県宇都宮市 右下・葉 2022年5月4日 神奈川県南足柄市
- 撮影記 :
変わった和名は、命名者が浦島さんではなく、仏炎苞から長く飛び出す紐状の付属体を釣り糸に例え、浦島太郎を連想させるとしてつけられている。
この花の仲間は、マムシグサに代表されるように、その地味な色の奇妙な形の花に加え、やや薄暗い林下に生えることから、好かれる花ではないが、地域ごとに色々な変種があり、ハマルと結構面白い。
ただ、人によって分類の仕方が異なることや、同じ花でも葉の形や花の色に変化が大きく、同定は非常に難しい。ここでは「日本の野生植物」(平凡社刊)を基本にしつつも細分化された変種も載せているが、正直言って同定はお手上げ状態である。
2008年、久し振りに雰囲気ある群生に出会った。
時間も遅かったせいもあるが、せっかくならナンゴクウラシマソウとの違いである肉穂の基部を写すべきだったと、帰りの車の中で後悔した。
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