ユキモチソウ(雪餅草)

Arisaema sikokianum


ユキモチソウ1

  • 科名・属名 : サトイモ科 テンナンショウ属

  • 特徴 :
     草丈20〜60cmの多年草。
     葉は2個で、3〜5個の小葉からなる。小葉は菱状楕円形、先は鋭尖頭、鋸歯があるか全縁。緑色でしばしば白斑がある。
     仏炎苞は葉と同時に開き、紫褐色でほぼ直立し、長さ7〜12cm。筒部はスポンジ状で厚く、口辺部の内側は緑白色〜黄白色、舷部は倒卵形でほぼ直立して尾状に伸び、先端はやや内に巻いて尖り、基部はいったん狭まる。
     付属体は基部に柄があり、先端は根棒状で円形または扁球状に膨らみ白色、径17〜25mm。
     果実は秋遅くに赤く熟す。
     付属体のこの様子を雪のように白く、つきたての餅のようだということで和名がつけられている。

  • 分布・生育地 :
     本州(紀伊半島、兵庫県)〜九州 (国外:日本固有)
     山地の林下

  • 花期 :   4〜5月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 1989年3月26日  高知県室戸市
     中上・全体2 2014年4月22日  徳島県海部郡
     中中・全体3 2014年4月21日  高知県南国市
     中下・群落 2014年4月22日  徳島県海部郡
     (上、中上、中中、中下は拡大写真あり、写真をクリック)
     左下・花 2004年4月18日  高知県安芸郡
     右上・葉(斑入り) 2019年8月30日  高知県高岡郡
     右下・葉 2014年4月22日  徳島県海部郡

  • 撮影記 :
     4月初め、海岸植物を撮影に出かけた四国の海岸、朝早くて目的のルリハコベは、まだ花弁を閉じたまま。何かないかと時間つぶしに入った林の中に入った。
     まだ暗い樹林下、木漏れ日でそこだけ明るく浮かび上がり、その光の中に白い雪餅を載せたこの花が、スポットライトを浴びていた。
     前から見たい会いたいと思っていた花に、まさかこんな場所で出会えるとは。雪餅の名のごとく、真っ白で、柔らかそうな餅が、これまた真っ白な仏炎苞の内側に見える。お供えされた餅のようで、本当に食べられそうだ。

  • 葉(斑入)

    葉

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花