タコヅル(蛸蔓)

Freycinetia boninensis


タコヅル1

  • 科名・属名
  • : タコノキ科 ツルアダン属

  • 特徴

  •  茎の長さ5〜15mになる蔓性の低木。
     茎は節から気根を出し、他の木に巻きついて這い上がる。
     葉は茎にらせん状につき、線状披針形で、長さ50〜100cm、幅3〜5cm。葉の縁と主脈の下面に刺がある。
     花は雌雄異株で、枝先の10〜15cmの花軸の先につき、3〜4本の肉穂花序を束生する。花穂は長さ7〜9cm、径1〜1.5cmの円筒状で多数の雄花、雌花を密生する。花軸の下部には淡黄色で葉状の苞がつく。
     果実は集合果で、円筒形、長さ8〜13cm、径約1.5〜2cm、赤熟する。

  • 分布・生育地

  •  本州(小笠原諸島)  常緑樹林内

  • 花期
  • : 5〜7月

  • 撮影月日・場所

  •  2011年6月30日 東京都小笠原諸島
     中、下・花   同 上

  • 撮影記

  •  沖縄八重山諸島に分布するツルアダンによく似ていて同種とする考えもあるが、葉の幅が広くて大きく、刺も鋭いこと、苞葉も大きいことなどから別種とする考えに従った。
     小笠原諸島の固有種で、母島の山地にはこの純林があり、写真も眼下に海を望める稜線部で撮影した。
     「小笠原植物図譜」によると、生育が旺盛で群落が広がり、他の固有種を覆いつくして生育を妨げたり枯死させている厄介者のようである。
     ツルアダンもそうであるが、この仲間は葉の刺が鋭く、下手に触ると怪我をする破目になる注意が必要だ。

    同じ科の仲間の花
タコヅル2

花