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- 科名・属名 : ユリ科 サクライソウ属
注.APG分類では、サクライソウ科(PETROSAVIACEAE)
- 特徴 :
草丈5〜6cmの多年草。菌従属栄養植物。
茎は細くて硬く、下部に鱗片葉が互生し、間隔が狭くつく。
花は茎の先に総状花序となって密につき、花序は茎の1/2程度の長さとなる。花被片は6個、淡黄色、卵状三角形で、下部が漏斗状に集まる。雄しべは6個、葯と雌しべの柱頭が密接し、自家受粉する。
これまでサクライソウとされていたが、2021年、岐阜大学の高橋弘教授により、全体に小さく、花序が茎の長さの1/2程度を占め、花が密につくこと、雌しべの柱頭と雄しべの葯が密接し、自家受粉することなどの違いを基に別種として発表された。
- 分布・生育地 :
鹿児島県(奄美大島) (国外:日本固有?) 山地林下
- 花期 : 5〜6月
- 撮影月日・場所 :
上・全体(蕾) 1989年5月3日 鹿児島県奄美大島 (上は拡大写真あり、写真をクリック) 下・花序 同 上
- 撮影記 :
初めて奄美大島を訪れた際原生林の林下でこの花に出会い、地元の方からサクライソウと教えられたがまだ蕾だった。
残念ながら開花時には行くことはできず、その後長野県で開花株を見ることができたので、この時のポジはファイルケースに収まったままになっていた。
当時から奄美大島は本種の隔離分布とされていたが、2021年、特徴欄にも記したように本土産の種とは明確に違いがあるとして別種との発表がされた。
写真は蕾の状態ではあるが、全体が小さく、花が密につくといった本種の特徴は見て取れる。
できれば開花したこの花を見てみたいと思っているが、元々絶滅危惧TA類(CR)に指定されている稀な種であり、奄美大島が世界遺産登録されたことから自生地には行きづらくなっていて、希望は叶えられそうにない。
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