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- 科名・属名 : ユリ科 サクライソウ属
注.APG分類では、サクライソウ科(PETROSAVIACEAE)、学名(Petrosavia sakuraii)
- 特徴 :
草丈7〜20cmの菌従属栄養の多年草。
茎は淡黄色で細くて硬い。
葉は下部に少数の鱗片葉が互生し、鱗片葉の葉身は広卵形、膜質で、長さ2〜5mm。
花は茎頂に総状花序に5〜20個が花柄の先に斜め上向きにつき、径3〜3.5mm。花柄は長さ数mm、花被片は6個、卵状三角形で下部が漏斗状に集まり、淡黄色、内片は1.5mmで、外片はその半分の長さ。雄しべは6個、内片よりやや短く、葯は卵形。雌しべの花柱は短く、柱頭は頭状、心皮は3個で下部だけが合着し、中に多数の胚珠がある。
果実(刮ハ)長さ約3mm、上部の向軸面で裂開する。種子は楕円形で小さく、長さ約0.5mm、縦条がある。
- 分布・生育地 :
本州(岐阜・長野・石川・福井県・京都府)、九州(奄美大島) 注.奄美大島産は2021年、別種のアマミサクライソウ(P. amamiensis)として発表された (国外:中国(海南島)、台湾、東南アジア、スマトラ(北部)) 常緑・落葉広葉樹林や針葉樹林の林下
- 花期 : 7〜8月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2003年8月3日 長野県 中上・全体2、以下全て 同 上 (上、中上、中中は拡大写真あり、写真をクリック)
- 撮影記 :
今から十数年前、奄美大島で蕾の状態の株(注.現在は別種扱)を見たものの、開花時期には行くことができなかった。
その後は腐生植物で自生地も限られることから、開花した株に会えることはなかった。
ある年、群馬県の花仲間から長野県でもこの花が見つかったと教えられ、現地に案内してもらった。
現地は雑木林下の緩やかな斜面で、そこかしこに数株づつ淡黄色の花茎を上げていた。
しかし、何の変哲もない雑木林、この花があるとわかっていなければとても入ってみる気が起きないような場所、よく見つけたものだと感心した。
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