コヤブランモドキ(小藪蘭擬)

Liriope muscari var. stolonifera


コヤブランモドキ

  • 科名・属名
  • : ユリ科 ヤブラン属

  • 特徴

  •  草丈20〜60vmの多年草。
     根茎は短く、長い匍匐枝を出し、しばしばマット状の群落となる。
     葉は線形で、長さ約60cm。
     花は葉と同長の花茎に穂状に数個ずつ束生し、淡紫色で、花被片は6個、長さ約4mm。
     果実は球形で黒熟する。
     正式にはまだ未記載のようであるが、「沖縄県のレッドデータブック」に記載されているので、ヤブランの変種として取り上げた。

  • 分布・生育地

  •  沖縄(石垣島固有)
     海岸の風衝草原、崖上、林下

  • 花期
  • : 9〜10月

  • 撮影月日・場所

  •  2009年9月28日 沖縄県石垣島
     中・花   同 上
     下・果実 2009年2月22日   同 上

  • 撮影記

  •  本州で見かけたなら花つきの悪いヤブランくらいにしか思わなかったろう。石垣島の固有種としてよく似たこの花があることを事前の調べで知っていたので迷うことはなかった。
     以前この花の果実を撮影していたので、花の時期はいつごろだろうと思っていたが、思いがけない時期に出会えた。
     この島を訪れるたびに立ち寄る海岸の草原、年や季節を変えて訪れると、何かしら新しい花との出会いがある。サトウキビ畑や牧場に変る前の八重山諸島の海辺の平地はこんな感じだったのだろう。今ではこういった場所を探すのに苦労するようになり、こういう場所に記録されていた花は絶滅してしまったのだろうか。

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花

果実