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- 科名・属名 : ユリ科 ナルコユリ属
注.APG分類での和名は、アマドコロ属(学名変わらず)
- 特徴 :
草丈25〜85cmの多年草。
茎は下部では円柱形、上部では弓状に曲がり、稜角がある。
葉は互生、葉身は長楕円形〜広卵形、長さ8〜16cm、幅7〜9.5cm。先は鈍頭かわずかに尖って先は円く、基部は円形、縁は全縁。質はやや薄く、裏面は白色を帯びる。葉柄は短い。
花は葉腋から2〜4.2cmの花序柄を出し、2〜7個の花を散形状に付け、花序柄の先に2〜7個の苞をつける。苞は線状長楕円形で先は鋭尖形、長さ0.4〜1.4cm、膜質で1脈があり、早落性。花被片は6個、半分以上が合着し壷形筒状となり、淡緑色、長さ1.7〜2.6cm。先は長さ2〜3mmの裂片となり、反曲する。内面に花糸と長い軟毛がある。
果実(液果)は球形で径1〜1.2cm、黒熟する。種子は9〜13個。
- 分布・生育地 :
本州(広島県)、四国、九州 (国外:朝鮮、中国(北東部)) 山地の林下、草原
- 花期 : 5〜7月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2009年6月13日 熊本県阿蘇 中上・全体2 同 上 中中・全体3 2019年7月13日 大分県飯田高原 (上、中上、中中は拡大写真あり、写真をクリック) 中下・花序 2009年6月13日 熊本県阿蘇 左下・花 2019年7月13日 大分県飯田高原 右下・葉 同 上
- 撮影記 :
十数年前、阿蘇でこの花に最初に出会った時、緑色の筒状の花を果実と勘違いし、撮影しなかったことがいつまでも心残りだった。
久し振りに同じ頃阿蘇を訪れることになり、「今度は」とかって見た自生地に立ち寄ってみた。
地形は変っていないものの、当時は小さかった杉が大きく育ち、明るかった林下はやや薄暗い。林縁にあったハナシノブもすっかり衰えて、わずかに残るだけ。月日の経過を感じさせられた。
目的のこの花は、そんな林下のあちこちに健在、緑色の花をぶら下げていた。ただ、花弁の先は蕾と思われるものも、咲き終わったものもどれも閉じていて、どんな状態が咲いたと言うのかわからなくなった。
それから十年後、今度は大分県で久し振りにこの花に出会たが、以前見た花とは大きく感じが異なっていた。
調べると、以前阿蘇で出会った花はまだ早落性の苞が残っている開花前の状態だったようで、久住で見た花が開花したもののようだ。
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