ヤマホトトギス(山杜鵑草)

Tricyrtis macropoda


ヤマホトトギス1

  • 科名・属名 : ユリ科 ホトトギス属

  • 特徴 :
     草丈40〜70cmの多年草。
     茎には斜め下向きの毛がある。
     葉は互生し、葉身は長楕円形〜楕円形、長さ8〜15cm。先は短く尖り、基部は茎を抱くか、少し浅く抱く。上部の葉の表面には毛があり、裏面には粗毛があるが、下部の葉は無毛。
     花は茎頂や上部の葉腋に集散花序につき、上向きに咲き、花被片は長さ1.5〜2cm、白色で紫斑が少なく、下部に黄色の斑点が出ることもある。内花被片狭い披針形で平開し、外花被片は広倒披針形で内片より幅広く、外面に腺毛があり、ともに強く反り返る。葯は淡黄色、花柱と分枝にも紫斑がある。花序には腺毛が多い。
     果実(刮ハ)は長さ3〜3.2cm。

  • 分布・生育地 :
     北海道(西南部)〜九州 (国外:朝鮮)
     山地の林下

  • 花期 :   7〜9月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 1999年9月8日  東京都高尾山
     中上・全体2 2009年6月28日  熊本県阿蘇
     中中・全体3 2017年9月13日  東京都八王子市
     (上、中上、中中は拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・花    同  上
     左下・果実 2017年11月10日    同  上
     右上・葉 2017年9月13日  東京都八王子市
     右下・茎    同  上

  • 撮影記 :
     ヤマジノホトトギスとよく似ていて、最初の頃はいつも現場で頭を抱えていた。
     本種は、花被片が大きく反り返り、花柱にも紫斑が出ることを覚えてからはやっと悩まなくなった。
     秋口、低山の林下などでよく見かける。同時に開花しているのは2〜3花程度の株が多い。

     白い花被片に紫色の斑点の夏〜秋の花のイメージだったが、2009年6月末、阿蘇で花被片全体が紫色で、斑点も目立たない花を見たときは別の花かと思った。
     ネットで見ると、九州ではこのタイプの色の花が他にもあるようで、図鑑には花の色や紫斑にはかなりの変異があると記されている。

  • 葉

    花柄

    同じ科の仲間の花
ヤマホトトギス2

ヤマホトトギス3

花

果実