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- 科名・属名 : デンジソウ科 デンジソウ属
- 特徴 :
草丈7〜15cmの夏緑性の水生シダ。
根茎は細く、長く匍匐して不規則に分枝し、やや接して葉をつける。
葉は4小葉からなる複葉で、4枚の葉が四つ葉のクローバーのように田の字に並ぶ。小葉は扇形〜倒三角形、長さ(0.8-)1.1〜1.4(-1.6)cm、幅(0.7-)1.1〜1.4(-1.7)cm。先は円頭、基部は広いくさび形で無柄、全縁。質は草質、淡緑色〜暗黄緑色。
葉柄は黄緑色で基部は暗色、長さ(5.1-)7.4〜11(-16)cm、淡褐色の圧着した毛がある。
胞子嚢果は葉柄の基部から少し上(約5mm)からでる短い枝に1〜3個つき、楕円体で長さ(2.9-)3.8〜4.9(-5.6)mm、幅(2.4-)3〜3.5(-4)mm、密に軟毛があるが、毛は早落性。
- 分布・生育地 :
北海道〜九州 (国外:朝鮮、中国、ベトナム、ヨーロッパ) 水田や池沼の泥地
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2020年11月15日 神奈川県 中上・全体2、以下全て 同 上 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
- 撮影記 :
このシダのことを知らなければ、田んぼや池の中に四つ葉のクローバーが生えていると勘違いするだろう。
この葉の田の字に並んだ様子が、和名のデンジソウ(田字草)の由来になっている。
九州の一部〜沖縄にかけてナンゴクゲンジソウという非常に良く似た仲間があるが、違いは本種の胞子嚢果が葉柄の基部より少し上から出る枝につくのに対し、ナンゴクでは葉柄の基部から出る枝につくことである。
右下の写真で、やや太い根茎から出ている葉柄の基部から少し上に、2本の胞子嚢果の枝が出ていることが良くわかる。
以前は暖地ではごく普通に見られたらしいが、水田に除草剤を使うようになってから激減したようだ。
この写真も神奈川県ではほんの2〜3ヶ所しか知られていない自生地の水田で撮影したが、近くの水田では全く見られなかった。
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