|
- 科名・属名 : ハナヤスリ科 ハナワラビ属
- 特徴 :
草丈40〜80cmの夏緑性シダ。
根茎は短く直立し、円柱状で多肉質の根を多数出す。
葉は年に1回出て、部分2形、共通柄(担葉体)、栄養葉(担栄養体)、胞子葉(担胞子体)に分かれる。
共通柄(担葉体)は多肉質で白緑色、長さ(23-)27〜34(-38)cm。
栄養葉は3回羽状深裂し、広三角形で先は鋭頭、長さ(13-)16〜21(-25)cm、幅(19-)27〜36(−41)cm。側羽片は長楕円形〜狭長楕円形で、長さ(12-)15〜20(-23)cm、幅(8.6-)11〜14(-18)cm、基部の小羽片は小さく、裂片は楕円形〜長楕円形、鋭頭で辺縁は鈍鋸歯縁。無柄で基部の裂片が小羽軸に流れ、羽軸には翼がある。質は薄い草質で淡緑色。
胞子葉は葉身の基部から出て穂状で2回羽状に分岐し、長さ(6.7-)9.1〜15(-18)cm、幅(0.6-)0.8〜1.2(-1.6)cm。小羽片はほとんど無柄。柄は長さ(4.3-)5.6〜7(-8.2)cm。胞子の表面には大きないぼ状の突起がある。
- 分布・生育地 :
北海道〜九州 (国外:朝鮮、中国、ロシア(極東)) 山地林下
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2023年5月25日 東京都八王子市 中上・全体2、以下胞子嚢を除き 同 上 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 左下・胞子嚢 2023年7月5日 同 上
- 撮影記 :
ナツノハナワラビには何度か出会っていたが、それより少ないとされるこのシダにはなかなか巡り会えていなかった。
ある年、ここの林下に発生していると教えられ、八王子市の林下を探したが枯れたのか見つけられなかった。
翌年満を持して出かけると、やっと胞子嚢穂を上げたこのシダに出会えた。
ナツノハナワラビの胞子嚢穂の羽片が有柄で円錐花序になるのに対し、胞子嚢穂が穂状で羽片が無柄のため細そりした感じだった。
その他のシダ
|